一発一万円を提案されて…

かくして風呂終了後は米系の高級ホテルに戻ったのだが、エレベーターを降りたら派手な化粧と恰好の女性2人が廊下にいて、我々に声をかけてきた。

「オニイサン、イッパツドウ?」

なんという直接的な誘い方だろうか! この頃、東京・渋谷でも街娼の中国人女性が「マッサージ、イカガデスカ? スペシャルサービスアルヨ」とやっていたが、まさに同じような展開である。

我々は再び若干心が揺れたものの、前述の通りその著名人がいるため、何としても彼を守らなくてはならないと考え「NO! NO!」と返答。

「イッパツイチマンエン。デンワスルカラモウ2人ヨベルヨ」

こう畳みかけてくるが、ここにも日本人の記者が張り込んでいる可能性はあるし、正直疲れていたので断った。

まぁ、これら判断は正しかったわけだが、果たして一万円とはどれだけの価値があったのか。滞在時間は45分としよう。社会労働保障省によると、この年(2005年)中国都市部での平均年収は1万8364元だったという。1元は約13円だったため、年収23万8732円である。月収は2万円だ。

そう考えるとこの女性たちは破格の報酬を得ていたわけで、そりゃあスケベな外国人男に執拗にサービス提供を提案するだろうな、と思うのだ。

彼が海外に行く際は対策を

さて、今の中国がどうなっているのかは分からないが、タイ・バンコクは相変わらずだった。元々「ゴーゴーバー」で女性を品定めし、外に連れ出し、自分のホテルでともに過ごす、というサービスはあった。さらには、街娼がいるエリアもある。今年バンコクで若い日本人男性と某歓楽街で飲んだが、「ちょっとニノミヤさん、僕、行ってきます!」と言い、彼は女性と交渉。

ここで手を振って別れたが、その数時間後「8000円で十分楽しめました!」という連絡が来た。このように、「海外=カネを払ってエロをする場所」といった認識の日本人男性は案外多いので、皆さんも対策は考えておいた方がいいかもしれない。

Text/中川淳一郎