重要に見える岐路は
自分が幸せになるための選択肢に過ぎない
最後に、「生涯をともにする伴侶を決めることに不安はまったくなかったのか」という質問にお答えしますが……これっぽっちもなかったな!!!
個人的なお話しをさせていただきますが、わたしは夫とはSNSで知り合い、付き合った時点で北海道と関西の遠距離恋愛でした。
初対面で付き合うことになり、わたしが関西に引っ越すまで1年弱の間に夫と直接会えたのは2~3回。就職活動のタイミングで「わたしと結婚してくれるならそっちに行ってもいいよ」と言ったら「結婚するからおいで!」と言われて関西での就職を決め、その後1年半ほどして「結婚する?」と聞いたら「する!」と答えてくれたので、結婚しました。
当時は彼氏だった夫のことが好きで好きで堪らなくて、絶対に幸せになるぞ! と思っていましたし、夫と生涯を共にしようという決意がありました。
周りからすれば勢い任せの危うい選択に思われましたが、自分としては最善の選択をしたと思っています。結果論だと言われてしまえばそれまでですが、当時からそう信じてやみませんでした。
一方で、「上手くいかなかったらそれはそれでいいや、またその時考えよう」とも考えていました。関西で就職したときも「無理だったら北海道に帰ればいいや」と、結婚したときも「結婚した途端に相手がやばい本性を現したら離婚すればいいや」という気持ちを持っていたのです。
今でも当時と変わらず夫のことを心から愛していますし、想像していた以上に幸せに暮らせています。死ぬまでこいつと一緒にいてやらぁ! という確固たる決意で生活していますが、今も昔も自分の人生を夫に全ベットしているつもりは毛頭ありません。
この考えは、今の幸福を享受することや夫と生涯を共にする覚悟をしていることと、なんら矛盾はないと思っています。
なにかひとつに全ベットすれば、上手くいかないときに苦しくなってしまうもの。優劣をつけて総合順位1位の存在に縋るのではなく、細分化しまくった各カテゴリ1位を目いっぱい愛せばいいのです。
同棲も同居も結婚も離婚も一大イベントで、自分の人生における重要な岐路だと思うかもしれませんが、決してそうではなく、自分が幸せになるための選択肢に過ぎないのです。
わたしはあなたに、何事も決めつけてほしくないと思います。
これは、あなたが若くて何も知らないからそう思うのは今だけだよ、という意味ではないので勘違いしないでくださいね。
過去の相談でもお話しさせていただきましたが、何歳になっても自分の人生を決めてしまわず、いろんな可能性のためにたくさんの選択肢を持っておいてください。
生涯の伴侶を~なんて難しく考えなくていい、たとえ今その覚悟を持って結婚したとしても、過去の自分がした誓いに縛られないでほしい。
彼と別れて友達と一緒に暮らしたあとに、新たに好きな人ができたのならその人と結婚したっていい。今の彼と結婚して「やっぱりこの人と生活するのは難しいな」と思ったら離婚したっていい。50歳になってから「友達と住みたいな」と思ったら住んだっていい。
「どちらかを選ばなくちゃ」「選んだからには生涯をともにしなくちゃ」と今この瞬間に強く思っていたとしても、その考えを一生貫く必要はありません。
大事なのは、考えが変わったとき、関係性が変わったとき、上手くいっていないときに「あのとき誓ったんだから……」と過去の自分の意志を継ぐことに縛られるのではなく、「あのとき自分は一生懸命考えて選んだんだ」という事実だけを掬い取って、そのために心を砕いて頑張った自分を思い出してあげること、そして大事な人にズルのない向き合い方をすることではないでしょうか。
人生の選択において初志貫徹なんてクソ喰らえ。優先すべきは自分と愛する人の幸福。その瞬間に自分が最善だと思う道を胸を張って進んでいくことが、いろんな変化を受け止めていける。わたしはそう思います。
Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka
※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、掲載の間隔に対してお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)