自分を鼓舞することで
結果も周囲もついてくる
わたしだったら、毎月ATMで記帳するたびに6万円が引かれていくことが気になってしまうので、最初の数年で気合いを入れて、今後支払うであろう養育費の総額をガッと貯めておきます。いい気分にならないイベントが定期的にあるとつい気になってしまいますし、さっさと終わらせてスッキリしたい性分なので。なんなら、独身時代に貯めた自分の貯金も足しにしてもらうかもしれません。
わたしもあなたと同じで、好きな男性に対して「わたしと一緒にいたら絶対楽しいよ! お前のことはわたしが世界で一番幸せにしてやんよ!」というタイプでして。それはもちろん相手を心から愛しているからこそ漲ってくる強さなんですが、それとは別に自分自身を最高にいい女だと思ってるから、そのプライドがあるから、という側面もあるのです。
こちとら海よりでかい器の女だが? その程度のこと、ぜーんぶ受け止めてやっからよ! 養育費もしっかり払った! 自分の家庭も幸せ! このわたしがその程度のハードルを乗り越えられないわけがないだろ! そんじょそこらの女と一緒にすんなよ! と、わたしは常に自分を鼓舞しながら生きています。
そういう、自分の能力を大仰に演出(≠過大評価)することで、自分自身が満たされるだけではなく、結果も周囲もついてくると信じているのです。
あなたは、「いつか養育費のことで彼を傷つけてしまうかも……」と不安になっているようですが、別にいいじゃないですか、その不満をぶつけるときがきたって。人間、生きていいれば余裕がなくなるときって絶対にありますから。
もちろん、毎日毎日「ハァ~養育費さえなければ、今日は食卓に鶏肉じゃなくて牛肉を出せたのになぁ……」なんてチクチク言ってはいけませんし、「ほんとうはこれが欲しいけれど、我慢しなくちゃだめだよね……だって養育費があるし……」なんて遠回しに責めて自分の我慢をアピールしてはいけませんよ。それに関してはただの意地悪ですし、最初から覚悟が足りていないと思います。
あなたが毎月6万円の養育費の存在が嫌になるのって、おそらく彼の態度が目に余るようになって許せなくなったときだと思うのです。
たとえば、彼が家計に見合っていない贅沢を繰り返したり、あなたと築いた家庭を蔑ろにして責務以上の過剰な親切を前の奥さんにしようとしたり、あなたへの相談なしに勝手に物事を決めたことであなたが無理を強いられる事態に陥ったり。
そういうときはね、言ってもいいんですよ。「あなたと結婚すると決断したのは自分だし、相応の覚悟の上だったよ。とはいえ、今のあなたの行動はそんなわたしの覚悟や努力や思いやりを蔑ろにしているものだから、あなたに対する愛情が揺らいでも文句は言えないよ。こちらの愛情に甘えるのもいい加減にしろよ?」って。
これは相手を傷つけているのではなく、自分が傷つけられた怒りとかなしみを主張しているに過ぎませんから。
というか、そもそも相手をまるごと、今回の場合は養育費ごと愛さなくては……なんて自分にプレッシャーをかける必要はないんですよ。
前回の記事でもお伝えしましたが、相手のすべてを受け入れて理解して愛するなんてどだい無理な話ですから、相手の不十分な部分を愛おしいと思えるくらいでいいのです。
愛おしいと思えていたら、たとえ許せなくても、じゃあどう立ち向かえばいいか、どう心の落としどころを見つけるか、と思考が働きます。それだけで愛する人と結婚する理由には十分ですし、幸せな日々のために先を見つめることができるはずです。
……と、ここまで彼と結婚したいというあなたの背中を後押しする方向で話を進めてきましたが、「やっぱり無理!」と思ったのなら、やめたっていいんですからね。
「彼を幸せにするって言ったのにできなかった」「覚悟が足りていなかった」「受け入れられない自分が悪い」と自分を責めないでください。
どんな選択であれ、「自分にとって、これはこれで最善の決断をした」と肯定してほしいと思います。
Text/ものすごい愛
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