ドキンちゃんに憧れていた
このあいだ親戚の集まりで、子どもたちと一緒にアンパンマンを見ていた。ドキンちゃんがバイキンマンに指示して色々やらせているあいだにこっそりケーキを食べているシーンで笑っていると、「そういえば雨ちゃんは小さいころドキンちゃんが好きだったな」と昔よく世話をしてくれた叔父さんが話してくれた。
私は昔からワガママな女の子に憧れていた。物心つかないころからドキンちゃんが好きだし、高校生のころは村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる緑という女の子に憧れて彼女のセリフの全てを覚えていた。ちなみにドキンちゃんは『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラがモデルになっているらしい。『ルパン三世』の峰不二子なんかもそうだし、他にも書ききれないけれどワガママでチャーミングな女の子が出てくる作品はいくらでもある。つまりそれだけワガママな女には魅力があるのだ。
誰からも好かれるのは『ドラえもん』のしずかちゃんのような真面目で優しい女の子かもしれないが、ワガママなドキンちゃんタイプも確実にモテる。ドキンちゃんはしょくぱんまんのことが好きだと公言しているのに、ホラーマンとかいう謎のガイコツみたいなキャラクターに好かれていて、彼に家事をやってもらっているし、これは私の勝手な解釈だけど、バイキンマンだってドキンちゃんのこと好きじゃない? Wikipediaによれば、バイキンマンの城に突然赤い球が隕石のように落ちてきて、なかから出てきたドキンちゃんが「面倒をみなさい!」「おなかがすいた!」などと騒いだので、それ以来居候させているらしい。そんなに刺激的な出会い、絶対好きになっちゃうでしょ。
なぜワガママな女がモテるのか?
ワガママな人と親密になると、たいてい迷惑を被るし疲れるが、それなのになぜ彼女たちはモテるのだろうか。そこでワガママな女に長年憧れる私が考えるワガママな女の魅力を挙げていきたい。
①意志と生命力がある
「この世の終わりがきたときも
私ひとりは生き残る」
―-歌『私はドキンちゃん』
ワガママとは、言い換えれば、自分の欲望に忠実ということ。例えばドキンちゃんなら、「おなかがすいたー!」とバイキンマンに食べ物を要求したり、「しょくぱんまん様~♡」とすりよったり。ただ欲に任せているだけ、といえばそうなのだが、ただ欲に任せて行動することは意外と誰にでもできることではない。良くも悪くも周りに遠慮しないでいられるから自分の欲望を見失うことがないし、いつも自分自身でいられる。そこに凛とした魅力があるのではないか。
また、欲望が旺盛ということは、単純に、それだけ生命力があるということだと思う。なんとなく生命力の強い人に惹かれてしまうのは、生物として抗えない習性ではないだろうか。
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