ヴァネッサ・パラディが人気の理由
そこで、フランス語の先生(推定年齢60代)のマダムに聞いてきました。
私:「彼女はスキッ歯だけどなんで人気があるのですか?」
と、あえてちょっとひねくれた質問。
マダム:「彼女はとても魅力的だし、私達フランス人は歯なんてどうだっていいのよ!
肝心なのは目よ! 他の女優だってモデルだってどこに一番化粧しているか見たら分かるじゃないの」
と、そんな当然なことなんで聞くの? といわんばかりの即答力説でございました。
確かにこの先生は以前アジア人の学生に向かって
「アジア人は表情がないから何を考えてるか全く分からない彫刻みたいに見えてくるのよ。
もっと自分の考えてることをしっかり表現してちょうだい!」とか
「茶色い目の人は、表情が読み取れないのよね」と、
目や表情を通しての表現についてちょくちょく言及していたのでした。
『目は口ほどにモノをいう』という日本でもことわざがありますが、日本人の目はフランス人に比べると小さくて伝わりにくいのかも…なんて。
先生が言う「茶色い目は何を考えているか分かりにくい」という発言を考えてみると、
私にしてみれば青い目のフランス人を目にすると、妖精に見えてきて魂を吸い込まれそうな気すらします。
目が全て、というわけではないと思いますが、何はともあれコミュニケーションが全てというのはこの国では絶対のようです。
フランス語が話せるようになってきて、ますます感じるのは、
フランス人が「話す」ということのコミュニケーションをいかに大切にしているかということです。
そのコミュニケーションの最初が目線、ということなんですね。
Text/中村綾花
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