東南アジアをまわって気づいたこと
ところで、東南アジアをまわっていて気づいたことがあります。東南アジアにはヨーロッパとまた違う疲れがあるということです。
それは「常にタクシーや店でぼったくられそうになる」、「人口やバイク密度が多すぎる」ということだけでないのです。
それは、なによりも「人と人の距離が近すぎる」ということです。いわゆる「パーソナルスペース」というものが、ほぼないんではないかなと。
よく言えば、仲良くなってすぐに距離が縮まって親戚のように扱ってもらえるのですが、いきなり懐に入ってくる衝撃や、窮屈さを感じてしまうのです。
それを特にベトナムで最高潮に感じました。例えば道ですれ違う時に「ガンガン体をぶつけてくる(もちろん謝らない)」こと、「ホテルでルームクリーニングのお姉さんが断りなく当たり前のように部屋に入ってくる」、「飛行機で隣の座席のおばさまが思いっきり肘掛けを広げ、私の体にグイグイ当たってくる」というようなことです。
こういうことから、特にベトナムでは個人の領域というのが極端に狭い、いやむしろないのでは? と感じてしまうのです。
フランスでの生活環境になれてくると人間同士の距離が一定に保たれていて、個人の領域を犯さないように意識していること、ぶつかったら「パードン(失礼)」というのが常識だったりします。
その慣れた他人とのスペースが、東南アジアだと一気にぶち壊されるので気が滅入ってしまうのです。
こういうことは、男女の関係、またそれ以降の結婚、家族関係でも違いが現れます。
国によって変わる男女・結婚・家族の関係
以前バングラデッシュの友人宅にホームステイさせてもらった時、私も家族の一員として扱ってもらえ、食事をするにも、(なぜか)出勤をするのにも私も一緒、つまり起きる時も寝る時も、全ての時間を家族のペースに合わせなければいけませんでした。
もちろんその分、私のことを気にかけて面倒をみてくれる情のようなものはひしひしと感じられます。
他には、韓国人の彼氏がいたときに、彼の実家にステイさせてもらったことがありました。
その時も、私がどこに行きたい、何をしたいというよりも、彼と彼の家族がそのペースを決めるのが当然でした。
他にも、女性は年を取るとセクシーであることは異常。
女性は中年以降、みんなと同じようにパーマをあてて、派手な色の服を着るのがオシャレだという社会的なルールすら感じました。
(10年近く昔の話ですが今はどうなんでしょうね)
また、韓国で結婚することになれば自分の親よりも、彼の親を大切にしなければいけないという強迫感もありました。
こういう自分自身が決められない息苦しさというのを感じるのは、アジアで多いなと思うのです。
もちろん、アジアと西洋の違いとはっきりは割り切れないかもしれません。
ヨーロッパでも田舎にいけば家族とべったりというところもあるでしょう。家族によってもスタイルがあるかもしれません。
実際、パリジャンと結婚した日本人の奥さん友だちの一人は「家族行事が多くて一人の時間がとれず気が狂いそう」と言っている人もいます。
彼女の場合は実家が真横のアパートということもあって、距離を理由に実家のイベントに不参加なんてことがまず不可能ということもありそうです。
前置きが長くなりましたが、こういう「人と人との距離」、「家族の距離」というのは結婚する相手の国によって結構変わることがあるということです。
このあたり、海外のパートナーと結婚を考えているときに、その家族との関係も事前に知っておくことが重要ですので気にかけておいてみてください。
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Text/中村綾花
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