エロの話をすべきか迷っていると…

どうしたものか……と困っていたところ、同席していた女友達が「付き合ってたときの、ふたりの想い出とかってないの?」と助け船を出してくれた。ありがとう!と感謝しつつ、記憶を辿ったところ、もっとも印象に残っているのは、「『ヤバいことになったので、しばらく身を隠す。知らない人から呼び出されても、絶対に会いに行くな』という言葉を残して彼がどこかに消えてしまい、心配していた数日後、ようやく本人から連絡があってほっとしつつ、何か必要なものはないかと尋ねたところ、『友達の家に匿ってもらってるんだけど、毛布がなくて寒くてつらい』というので、家の押し入れからこっそり毛布をくすねて、西武池袋線に乗って潜伏場所まで届けた」という殺伐としたエピソードなのです。

ウケるか、ドン引かれるか。勝負に出て「毛布抱えて電車に乗ってる女子高生なんて、わたし以外、後にも先にも見たことねーわ!」と披露してみたところ、周囲が空気がすーっと冷えた気がしたので、「その家の主を紹介される際に、『こいつのチンコ、コーヒーのロング缶サイズあるんだよ』と説明を受けた」というエピソードを追加したら、なんだかますますおかしな雰囲気になってしまってすみません、という感じなのでした。困ったらシモネタで誤魔化そうとするわたしが完全に悪い。

しかし、男性からすると、再会した元彼女がエロい仕事をしているのは、どないな感じなのでしょうか。そして、エロ業界に身を置いている女性の皆さんは、エロ業界に入る前に付き合っていた元カレに再会したら、己のことをどこまで語りますか?

Text/大泉りか