今回は、夫との関係が耐えられず、「間男」に救いを求めた人妻の話を書いてみる。僕自身は、彼女がいないような完全に常に「間男」として生きてきた男なのだが、こうした「間男需要」といったものがあることを20代中盤(当時・今はもう少し年上)にして理解したのだ。
彼女は、「なぜか結婚しちゃったのよ……」と夫への不満を居酒屋で言ってきた。そして、続けたのがコレだ。
「私、彼と結婚して9年だけど、まだセックスしたことがないの」
当時30代後半だった浩子さんはこう言った。僕はこの言葉に本当に混乱した。なぜ、エロをしたこともない男と彼女は結婚したのか? どうやら、浩子さんに対し、彼は相当ホレてしまったようで、「結婚」という手段を要求してきたのだという。彼はそこそこ収入もある男性で、スペック面だけを見たら結婚相手としては良かった。
だが、とにかくエロに興味がない男だったのだ!
「そんな男って本当にいるんですか?」
「ニノミヤさん、それがいるのよ。それが私の夫。私、セックス大好きなのにそれができないし、多分、彼と私、もしもやったとしても相性が合わない気がするの」
なんということだ。浩子さんは、「互いにホレていわゆる『ゼロ日交際』」で結婚したというのだが、結婚した後も9年間セックスをしなかったというのだ。その間、彼女は夫とセックスをするよう誘うもまったく乗ってこない。
そんな状況が続いたものだから、時々こっそりと別の男とヤッてきたのだが、その順番が僕に回ってきた。僕としては、こんな美人とエロができるのであれば断るわけがない。すぐに「もう、今から行きましょうよ! そこ、渋谷の円山町のラブホ街がありますから、OPENとなっているところに入ってバンバンエロしましょう!」と伝えた。
彼女は一瞬戸惑う表情を浮かべたものの「もう、いいね。私、夫と9年もヤッていないんだから、今日ニノミヤさんとヤるのも特に問題ないよね!」と言ってきた。
思い切った浩子さんとラブホ街へ
そこから僕らは渋谷の道玄坂を上がり、渋谷のラブホ街の入り口にあるコンビニでビールの350ml缶を4本買い、つまみとして「グミ」を買った。なんとなく、スナック菓子だと細かい粉のようなものが歯と歯の間に挟まり、ディープキスをしているときに邪魔だと感じたのだ。恐らくグミであればそんなことはないだろう。一応、グミであってもビールのつまみにはなる。
僕らは一軒目の「OPEN」のサインが出ているラブホテルに入り、1階の空いている部屋のボタンを押した。何しろ2階よりも上だと値段が上がることが多いし、エレベーターを出たときに誰かと会うのも避けたい。だからラブホテルに行くときは極力1階の部屋に入るのだ。
そして、部屋に入った段階ではまだ僕も少し慎重だった。一応、人妻とエロをしてバレてしまった場合は、夫から裁判を起こされてしまう可能性があるからだ。そこについてキスさえする前に彼女に聞いたら「大丈夫。もう9年もヤッてない時点で、夫婦生活は破綻している、と判断されると思うよ」と言われた。
こう言われればこちらはハッスルするしかないではないか! すぐに風呂にお湯を張り、お湯が溜まるまでの間は「カンパーイ!」とビールをグラスで飲みつつ、グミをつまみにビールを飲んだ。350ml缶1本を2人でシェアし終えたあたりでお湯は溜まり、一緒に風呂へ。
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