束縛の強い男性と付き合い…

そんなふうにして人の嫉妬を弄び続けた罰なのか、あるときにコントロールしきれないくらい束縛力の強い男性と付き合ってほとほと痛い目に合うことになりました。その後、嫉妬する男なんてコリゴリとなっていたところに、まったくもって嫉妬も束縛もしない男性(今の夫)とたまたま付き合うことになり、嫉妬される快感よりも嫉妬されない楽さを見直すこととなりました。

「かつてのわたしは、なんて面倒な恋愛をしてきたのだろう……」と、いまは心から思うし、昔は“嫉妬されたい”という、己の後ろ暗い欲に足を取られて、自分も他人も不幸にしていたけれど、あれはあまりよくないことだった。嫉妬する/されるが、愛情の確認ではない世界の、なんと清々しいことよ。

Text/大泉りか

初出:2021/07/10