愛の深さの表現に正解なんてない
恋人とのデートで、会話が途切れる無言の時間に、
ついつい相手の指をみてしまう癖が私にはあります。
大好きな小説の一つ、山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」の中で、
御巣鷹山の日航機墜落事故の描写が詳しくされていて、
身元確認をする遺族の話が出てくるんです。
遺体の損傷が激しく、手や足の一部しか発見されない現場で、
指や爪の形だけで夫を判別する妻の話は、
読むのが辛くて涙が止まらなくなる箇所なのですが、
世の中には、こんなにも深い愛があるんだと感銘を受け、
私の頭に二度と忘れられないくらいに焼き付きました。
それからというもの、恋人が出来る度に、
「指一本でも探しあてられるくらい、私はこの人を深く愛せるだろうか」
と手をつなぎながら考えます。
それくらいの愛をみつけたいっていう理想を追い求めているだけなんですが、
もはや「指を覚える」は癖になってしまいました。
こういうことを話すと
「小さなことまで大事に覚えている繊細な人なんですね」と
素敵な勘違いをしてもらえたりするんですが、
指は覚えていても、
相手の年齢や家族構成や記念日を
すっかり忘れていたりするんで、
そんなに繊細ってわけでもない。
付き合う時に
記憶していることや、
愛の深さを感じる瞬間は
人それぞれなんだと思います。
前に、付き合っていた人からのメールの中に
すごくそっけない文章があって、
「そういう言い方はないでしょ、言い方考えてよ」
ってキレたことがありました。
それに対して彼は、
「そんな、いちいち彼女にまで気を遣ってられない」と答え、
私は「彼女だからこそ気を遣うのが普通でしょ!?」と応戦。
このやりとりから、
男の人は彼女に一番気をつかいたくなくて、
女の人は彼氏に一番気をつかってもらいたいっていう傾向があるのかな…
なんてことも思いましたが、
本当は男が女がとかではなく、
その人自身はどういう考えの持ち主か、どんな瞬間に愛の深さを感じるか
しっかり理解するプロセスが恋愛なんですよね。
愛に関する考え方の違いって、人と深く関わらないとなかなか気づけないもの。
人を愛したことがある人は、
逃げないで誰かと向き合った経験があるということです。
だから、いい恋をしてきた人は魅力的に思えます。
恋愛って、
相手に向き合っているようで
実は自分に向き合っていて、
だからこそ辛かったり苦しかったりする。
相手のことを考えるほど、自分がどこに愛の深さを
感じているのか、知ることになる。
そしてそれを乗り越えたところに、ちゃんと幸せがある。
当たり前のことだけれど、そんなことを最近しみじみ。
恋愛ほど自分の感情の動きに敏感にさせてくれる機会はないので、
どんな恋も成長の機会だとポジティブに捉えていきたいです。
Text/伊藤春香(はあちゅう)
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