息子の「やめろ!」を直させるべきか

3歳児といえば、目にするもの、耳にするものすぐに影響を受けて真似をする年齢。当然わたしの言葉遣いは息子にも移りがちです。「おまえ」とか「どけ」とか、あまりにも目に余る場合は「優しい言い方で言おうね」などと教え諭しているのですが、嫌なことをされたときに強い口調で「やめろ!」というのは直させるべきなのか、そのままでいかせるべきなのかが悩ましい。

嫌なことに対して強く「NO!」を言えるように育てるのは大切なことに間違いないし、嫌なことをする相手に対して「やめてくれませんか」とお願いをする筋合いなんてまったくありません。「やめろ!」でいい。しかし、問題は息子が「やめろ!」という相手は、同じ年の女の子だったりもするのです。「こっちで遊ぼうよ」と腕を引っ張る女の子に対して、その言い方はちょっと乱暴なのでは……とはいえ、もちろん「女の子にはもっと優しい言い方をしてね」なんてことは言いたくない。かといって「男の子にも女の子にも、もっと優しい言い方をしてね」というとせっかくの「やめろ!」と言える力を剥ぎ取ってしまうのではないか。

さらには、わたし自身が、息子に「やめろ!」と言われると傷つくのもさらに厄介です。「やめろ」と言える自分は誇りたい。けれど「やめろ」と言われると「もう少し優しい言い方をしてくれても」と思う。あんまり認めたくないけど、これが本音なのです。

Text/大泉りか