ジェーン・スー×雨宮まみ対談 オリンピック後がねらい目!?女子のための賢い家の買い方

結婚したり、家族が増えてはじめて意識する「マイホーム」。ところが今、おひとりさまが自分のために家を購入する“モチイエ女子”が増加しているとのこと。そんな“住”に興味をもつ女性たちに向けたwebサイト「モチイエ女子web」が、作詞家・コラムニストでラジオパーソナリティーも務めるジェーン・スーさんと、フリーライターの雨宮まみさんをゲストに迎えて、女性とおうちについて本音を語るトークイベントをおこないました。

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子 ジェーン・スーさん(左)と雨宮まみさん(右)

 ご自身のライフスタイルから将来の住まい構想まで、軽快なトークで終始会場を楽しませてくれたイベントの様子をお伝えします。

マイホーム狙ってます!モチイエ女子への憧れと現実

―まず、現在のお住まいについて教えてください。

ジェーン・スーさん(以下、スー)

賃貸でひとり暮らしです。

雨宮まみさん(以下、雨宮)

私も同じです。でも、スーさん意外ですね。

スー

30歳くらいでマンションを買った友人が何人かいるんですけど、「今までで一番いい買い物をした」と言っていました。好きな言葉は「繰り上げ返済」って(笑)。そのへんの基礎知識もなかったので、タイミングを逃しちゃいましたね。 この間ね、自分の望みを全部叶える賃貸っていくらなんだろう?と思って、全部自分の思い通り駅も選んで、平米数も選んで、ウォークインクローゼット、浴室乾燥機、トイレウォシュレット、宅配ボックスがあって、リビングが何畳で…って、ネットの賃貸サイトで検索したら、家賃が92万円だったんです!そんな高い部屋があるの!?って、ビックリしましたね。

―スーさんはもう「家を買わない」という選択肢なんですか?

スー

モチイエ女子には憧れますよ。私のにわか情報によるとオリンピックの後に都内の物件価格が下がるらしいので、5年後が狙い目ですね。ただ、どこにどんな家を買うか、転売できるところがいいのかとか、考えてしまいます。

―雨宮さんが賃貸ひとり暮らしの理由は?

雨宮

フリーランスで仕事をしているので、ローンが通りにくいという問題がありますよね。だから、ほしい気持ちはあったんですけど、あまり考えていませんでした。ただ、モチイエ女子の連載を機にマンションギャラリーの見学には行ったんです。すごいんですよ、マンションギャラリー!スペクタクルで家を推してくるんです。

スー

広告バーーー!店舗でどーーーん!みたいなマンションって、実際どうなんですか?

雨宮

実際の部屋で説明を受けた後、「ここに住んだらどんな暮らしができるか」みたいなことをドラマ仕立てにしたムービーを観るんです。すてきな感じだなーっていうムービーが終わったらスクリーンが上がって、後ろにある壁がパカーーーって割れて、タワーマンションの模型がどーーーん! なんか夢が膨らむとかよりも、自分が今何をしていてどこにいるのかが、分からなくなりました(笑)。

スー

それはすごいですね(笑)。

雨宮

買ってもいいのかなぁ?って思っちゃいましたよ。しかもそのあと、中古のマンションでいいのをみつけちゃって。そのときは本当に欲しくて、すごく心が揺れました。

自宅は社会性と断絶された、素に戻れる場所

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子 ジェーン・スーさん

―おふたりにとっておうちとはどのような空間ですか?

スー

誰の目も気にしないで済むので、完全OFFができるところですね。だって相撲取りみたいな格好をして過ごしていても、さっき行ったカフェのコーヒーをネットであげたら“おしゃれ”になるじゃない。ある種、社会性から断絶されているというか、そこがいいですね。いちばん素に戻れるとこ。

雨宮

私にとってはパラダイスです。ほとんどスーさんのおっしゃっていることと同じですけど、やっぱりそういう時間がないと疲れる。よく、「フリーランスのかたはどういうサイクルで生活しているんですか?」とか聞かれますが、人には絶対言えないですからね。面白かったドラマを一日で全話観て、そのあと徹夜で仕事して、次の日は一日寝ているとか、そんなの言えない(笑)。

スー

私は仕事用に小さい長屋を借りましたよ。気がついたら一日パジャマで過ごす日が何日も続いていて、仕事に支障が出てきたんです。あと、いろんな仕事をやっているので、それを全部自宅でやっていると完全にカオスになって、休まるところがなくなっちゃって。仕事と家を切り離すことで、ようやく家のあるべき姿に戻りました。

―来場者は会社勤めのかたが多いと思いますが、自宅でも会社勤めでも、家と働き方ってすごく結びついていますよね。

スー

私が会社勤めのときは、どんどん部屋が汚くなっていく木曜日くらいに気分が欝々してきました。週末は休みたいのに、片づけなきゃってなるし。でも、一念発起で片づけて、キレイになった気持ちよさは最高ですよね。床やシーツにアロマオイルを垂らしてみたり、バスソルトを入れて入浴してみたり。

―自分が頑張ったごほうびに部屋を飾りたいとか、そういう思いはありますか?

スー

だいたい失敗しますね。おしゃれなポストカードを貼るじゃない。でも、その前に服をダーッとかけてポストカードが見えなくなる。あと、ソファーにたくさんのクッション。憧れるけどね。

雨宮

あーあれね。飾りクッション!

スー

昨年ソファーを買ったんですけど、いいですね! やばい。買ったら最後、ベッドかソファーの上にしかいません。でも楽しいし、居心地もいい。ソファーは理想の暮らしの象徴ですよ。

雨宮

ベッドの上にいるよりは、ソファーのほうが社会性が出てくるような気がしますよね。

二世帯同居は最高の贅沢。誰かと住むことと家の深い関係

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子 モチイエ女子project

―次は住まいの形についてお聞かせください。ひとり暮らしか誰かと住むかについては、どのように考えていますか?

スー

私は誰かと同じマンションで別の部屋に住みたい。敷地内の離れとかでもいいです。

雨宮

私も大体そんな感じですね。マンションの隣同士の部屋に住んで、間に1個ドアをつけてくれたらそれでいいです。お風呂場やキッチンは完全に別で、“いい二世帯同居”みたいな。

スー

二世帯住宅に夫婦で住むって最高だと思いますよ。最高の贅沢!

雨宮

相手の部屋だと思ったら掃除してなくても気にならないし、「髪の毛落ちてる」ってイライラしなくて済むじゃないですか。それに、今だけは散らかしたままにさせておいてってくらい疲れているときに「ちょっと入ってこないで」ってなれる状態がいいですよね。

スー

あと、同棲だとトイレ汚い女ってイヤだよなって気になるから掃除しますけど、ひとりだったらもうちょっと掃除しないでもいける!とかね。

―ひとりで家を買うハードルの高さを思うと、誰かと買うほうが何となく現実的かなって思うのですが。

雨宮

本当ですか?私の周りは離婚のとき財産分与で揉めるっていう話があるから、結婚で家を買うっていうのは……どうなんですかね。

スー

私も話は結構聞きます。結婚して家を買うとき、共同名義にする人って少ないじゃないですか。自分の名義じゃなかったらかりそめの家ですよ。だから半同棲がいちばんいい。住むところも、関係性も、半分。

住むだけじゃない。モチイエ女子の賢い買いかた

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子 雨宮まみさん

―モチイエ女子という響きに憧れもありますが、現実的に女子がひとりで家を買うことはどうでしょうか?

スー

経済力があるなら、持てたらいいなとは思います。

雨宮

私とスーさんは、結婚とか同棲とかで誰かと一緒になっても自分だけの空間が欲しいっていう発想だから、家を持っていることはマイナスにならないですよね。事務所に使ったり、貸したりもできますし、あって困るものではない。

スー

私の会社勤めをしている友だちも、35歳くらいのときに突然マンションを買いました。どうするの?って思いましたけど、ちゃんとリセールバリューのある物件を買っていたので、38歳くらいで結婚したときに損することなく売っていましたよ。安くモチイエに住めて、それを売って結婚してまた新しい家を買ってとか、賢い!って思いましたね。

雨宮

転職と一緒で、一回買いはじめるとまたそれ売ってこっちとか、賃貸にしてとかって、考えちゃうんですよね。

スー

一番びっくりしたのは、41歳で結婚した女友達が、いままでの貯金で投資用のマンションを一括で買ったこと。そうするとオーナーになって家賃が入ってくるから、何年後には利益が出始めて…って計画して。その投資用のマンションは修繕積立金が貯まってるので、建て替えることになったらまた利益が出て…と。いつの間にこんな勉強してたんだ、と。ちっちゃく住むとか、オーナーになるとか、みんなちゃんと考えていて、住むだけじゃないモチイエ女子も増えているんですよ。来場者の中にもいるんでしょうね。でも、30代でマンション買うって本当に賢い方法みたいですよ。

―雨宮さんは実際にモチイエを検討されていると伺ったのですが?

雨宮

春先に神戸へ行ったとき、すごく気に入ってここに住めるんじゃないかな?って思ったんです。これ、旅先がパラダイスに見えるっていう、ダメな旅行者によくあるパターンなんですけど(笑)。 それで「神戸 中古マンション」みたいにざっくりとした検索をかけたら、すごくいい物件が出てきちゃったんですよ。広さ的にも場所的にも、もうすべて条件に合っているのが!だからその不動産屋さんに行って、これを買うとしたら最初にいくら必要で、全部でどのくらい払えばいいのかを計算してもらったんです。でも、ちょっとローン組めないですねっていうお返事があって。

―家を買うタイミングって、どうしたら分かるのでしょうか? 人に聞かないと分からないような気がするのですが。

雨宮

自分の中でリアリティが持てるタイミングってありますよね。

スー

その時には、もう遅かったりするんですけどね。

雨宮

もっと早く考えておけばよかった!ってね。

スー

不動産に関しては、もっと早い段階で英才教育したほうがいいですよ、日本は。

雨宮

それこそ、高校や大学の授業の一環として。まず、全然わからなかったですもん。初期費用がいくらかかるとか。

スー

物件のお金以外に、いくらかかるのかとかね。

雨宮

登記のお金とか、物件以外にかかるお金はいろいろありますもんね。

モチイエ女子の実際のところ

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子 ジェーン・スーさん(左)と雨宮まみさん(右)

―ではここで、詳しい専門家のかたにお話を伺ってみようと思います。三井不動産レジデンシャルの守屋明日香さんです。早速ですが、どのようなおひとりさまが実際に家を購入されていますか?

守屋明日香さん(以下、守屋)

弊社の物件を購入されたかたでお話させていただきますと、30~40代が非常に多く、職業も会社員が多い傾向にあります。先ほどお話の中で“英才教育が必要”とおっしゃられていたんですけど、実際にモチイエ女子になられた方って、同僚や友だちが家を買ったことがきっかけの人が多いんです。それまでは女性一人で家を買うということに気づきもしなかったと。

―購入される目的に関してはいかがでしょうか?

守屋

転売目的というよりは、自身の住んでいる環境を整えたいというところがベースにあるように見受けられます。「モチイエ女子web」に「女子イエナカ研究所」というコンテンツがあるのですが、そこのアンケートで「(連続で)何日くらい部屋にいられますか?」という質問の回答が平均10日間だったんです。モチイエ女子には本当に家の好きなかたが多いんですよ。 ただ、「将来のことを考えて」という動機も増えています。老後に賃貸で家賃を払うのは大変だから、修繕費だけで生きていけるモチイエのほうがいいというお考えで買われています。

スー

賃貸疲れっていうのもありますよね。ちょっと床に傷がついたら「あーこれ出るときにいくら取られるだろう」とか、壁に穴を開けられないとか、借り物だから気になります。

雨宮

あと、過ごしやすくしたいけど、賃貸だから自分のものじゃないっていう思いもあって、はざまで揺れるとか。

スー

とはいえ、本当に買っていいのか?みたいなね。賃貸のほうがいいっていう声もあるじゃないですか。

守屋

そうですね。賃貸に比べるとかんたんに引っ越すことができないので、「好きな街にいっぱい住みたい」といった考えのかたには、賃貸のほうが合っていると思います。

―おひとり女子が家を買うタイミングのようなものはありますか?

守屋

今は建設コスト自体が上がっているので、物件価格はちょっと上がり気味ではあるんですけど、金利が低いので買い時ではありますね。例えば35年でローンを組んで、毎年100万円くらいずつ繰り上げ返済をすると、今の金利なら返済期間を15年短縮することができます。ちなみに、私は32歳の時に買ったので、50代で完済できることになります。

スー

30代からはじめて50代で物件が手に入るって、夢だな!

雨宮

守屋さんは、やってます?繰り上げ返済。

守屋

繰り上げ返済は、あの……楽しいです(笑)。

Text/千葉こころ

イベント主催のモチイエ女子webはこちら! 住まいに興味がある方はぜひのぞいてみてくださいね。

【次回に続きます】

※2015年11月2日に「SOLO」で掲載しました