「お金持ちと結婚」はそうそうない!だったら先にマンション買おう/ジェーン・スー×雨宮まみ

結婚したり、家族が増えてはじめて意識する「マイホーム」。ところが今、おひとりさまが自分のために家を購入する“モチイエ女子”が増加しているとのこと。そんな“住”に興味をもつ女性たちに向けたwebサイト「モチイエ女子web」が、作詞家・コラムニストでラジオパーソナリティーも務めるジェーン・スーさんと、フリーライターの雨宮まみさんをゲストに迎えて、女性とおうちについて本音を語るトークイベントをおこないました。

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子ジェーン・スーさん(左)と雨宮まみさん(右)

ご自身のライフスタイルから将来の住まい構想まで、軽快なトークで終始会場を楽しませてくれたイベントの様子をお伝えします。前回の後半から三井不動産レジデンシャルの守屋明日香さんも加わり、モチイエ女子になるための秘訣についてお聞きしています。

モチイエ女子になるために必要な知識とポイント

―おふたりはモチイエについてどんなことが気になりますか?

ジェーン・スーさん(以下、スー)
私、聞きたいことメモしてきたんです。夢がない質問ばかりなんですが(笑)。まず、資産価値が下がらないマンションってどういう定義なんですか?
守屋明日香さん(以下、守屋)
定義としては、引っ越しなどで手放すときに価格が下がりすぎないことと言われています。資産価値は「都心に近くて便利」などといった条件でも上がるのですが、ちゃんと修繕していかないと、下がっていってしまいます。住人で“管理組合”というコミュニティーを作って、ちゃんとした管理ができているところが資産価値の下がりにくいマンションだと思います。
雨宮まみさん(以下、雨宮)
管理組合がしっかりしているかどうか、なんですね。
スー
あと、私の周りの友だちがみんな念仏のように唱えている「修繕積立金」。これっていくらなんですか?
守屋
新築からだいたい15年ほどで1回目の大規模修繕があるのですが、事業主の修繕計画がちゃんと立てられていないと、一次徴収で30万円とか請求されることもあるそうです。ちゃんとしたところなら計画に沿ってお金も運用されているので、そのようなことはありません。購入の際はそのあたりもしっかりチェックしておいたほうがいいと思います。
スー
でも、修繕計画なんてどうやって調べるの?
守屋
マンションギャラリーなどに来ていただくと資料が揃っていますので、聞いていただければ資料をご覧いただけます。
スー
あとね、家を買うとき、どういう人が中古向きで、どういう人が新築に向いているとかってあるんですか?
守屋
住みたいエリアが決まっているのに新築物件が出てこない場合は、中古を選ばれたほうがいいのかなと。ただ、家を買うときは物件価格のほかに諸費用が必要なのですが、新築だったら物件価格の5%くらい、中古だと10%くらいになるんです。
スー
倍じゃないですか!
守屋
手持ちのお金が少ない場合は新築のほうが比較的買いやすいと思います。銀行の住宅ローンは新築・中古問わず、頭金なしの物件価格100%で組むこともできるのですが、新築を購入する場合は諸費用も組み込むことができるので、中古よりも踏み出しやすいという感じはありますね。
スー
その辺のことって分からないですよね。賃貸の家を探すつもりでネットをみていて、たわむれに「買う」ってやってみるんですけど、「ローンを何年で組めますか?」という質問の時点でもうギブアップ。初期費用がいくら必要だとか試算してくれるはずなのに、そもそもが分からないからなにも分からない。
雨宮
基準みたいのが分からないから、頑張ればどのくらいまで買えるのかとかも分からないんですよね。
守屋
そうですね。一番分かりやすいのは、今お支払いになっている家賃ですね。家賃と同じくらいのローン返済額から借入額を算出していただいて、そこに自己資金を足していただくと、だいたいの購入予算が見えてくるかと思います。100万円借り入れた場合、今のいちばん安い店頭金利だと月々の返済額が2,700円くらいになるので、3000万円の借り入れならひと月の返済額は81,000円くらいになりますよね。返済できる金額で予算を立てることから始めてみるのがいいと思います。
スー
リセールバリューってあるじゃないですか。車でいうと、黒い車を買ったほうが中古で高い値がつくとか。家の場合はどうなんですか?
雨宮
スーさん転売目的! 絶対に損したくないっていう(笑)。
スー
いやいや(笑)。ただ、自分が住みつぶすくらいの勢いじゃないと購入しちゃダメなのかな? って思ったの。85歳ひとり暮らし、もうダメだ! ってなったときに、ホームに入るには貯金が足りないから、今住んでいるマンションを売ったお金で入ろうと思ったのに、とてもじゃないけど値がつかないってことになるかもしれないじゃん。だから、リセールバリューとかも考えておいたほうがいいのかなって。
守屋
基本的には、今の生活環境をよくするために選んでいただきたいですね。ただ、女性のライフステージは、たとえば暮らす人数が変わるとか、生活形態が変わるかもしれないので、いざとなったとき本当に売れるのかっていうのは大切です。マンションギャラリーに行っていただくと、賃貸で出すとどのくらいになるか試算してくれるので、その診療査定とローンの金額を比べていただいて、ちゃんと利益が出るようなら安心してお勧めできます。
スー
売り出しやすさだけを考えたらすごくつまらない家に住むことになるじゃないですか。私、だれも買わないような変な家がいいんだけどなぁ、住むとしたら。
雨宮
そういう家って、結構安くなるんですよね。

―守屋さんのお話を聞いて、いかがでしたか? 知らない言葉がたくさん出てきましたね。

スー
繰り上げ返済、リセールバリュー、あと……。
雨宮
修繕積立金。
スー
さすが!

―それくらい知識がないと一歩を踏み出しちゃいけない気がしちゃいますよね。

スー
だって、びっくりしますよ。「マンション2,800万円」って書いてあるからって、2,800万円持ってわーいって行っても買えないんですから。ほかにもかかるお金があるからね。生活形態が変わることも考慮したほうがいいし、難しいなぁ。
雨宮
ただ、無目的に何となくやる貯金って、意外と貯まらないじゃないですか。でも、繰り上げ返済っていう目標ができると、やっぱり全然なんか違うんだと思う。
スー
すごく楽しいんですって、繰り上げ返済。
雨宮
払わなきゃいけないノルマをクリアしていく感覚が気持ちいいんでしょうね。
スー
その分、どんどん自分の物になっていくんですもんね。

おひとり女子の楽しい老後計画

おひとりさま ジェーン・スー 雨宮まみ マイホーム モチイエ女子モチイエ女子project

―これからの住まい方について教えてください。どんな風に生きて、過ごして、暮らしていきたいと思いますか?

スー
「平和に」、ですかね(笑)
でも、40過ぎると途端に老後のことを考え始めるんですよ。医療費入れた生活費を年間300万でおさえたとしても、65歳から20年生きちゃったら、6000万いるんですよ。
雨宮
6,000万円! 絶対ムリだよ。
スー
絶対ムリでしょ。そこで、チェンマイですよ。
雨宮
でたーーー(笑)。
スー
昔は公団を全部買い取って、そこで大人の女子高やるんだって言っていたんですけど、それも厳しい。それなら、貨幣価値を変えるしかない。みんなでチェンマイにいくか、もしくはもう一回、北海道を開拓しようと。地震の少ないところを調べて、そこに女だけで開拓しに行くの。もちろん、旦那や彼氏がいてもいいんですけど、主導権はこちらで握らせていただいて、申し訳ないですけど、男性たちは同行するだけ。
雨宮
除雪系の免許とか取っておいたほうがいいですね。
スー
そうですね、あと北海道出身の人とかも要りますね。はじめて女が“かわいい”とか“若い”とかではなく、「今までの仕事で何やってきた?」 っていうので判断されるような。そこに入植するには、何かしら手に職がないといけないからね。
雨宮
ちょっと鹿とか撃てたほうがいいし。
スー
10分でみそ汁何人分作れますとか、一食250円でいけますとか、そういうのね。
雨宮
映画の現場とかにいた人なら動けますね。

―「これからの暮らし方」ってもっと楽しいことを想像して聞いていたんですが、全然違う答えが出てきてびっくりしちゃいました(笑)

スー
そういうぼんやりした話は、30代で終わったの。40歳を過ぎるといきなり老後の背中が見えてくるので、リアリティのある話になるんですよ。だって、6,000万円なんて貯められるわけないじゃん。
雨宮
貯められないですね。Francfrancで夢見てた生活は、30代で終わり。
スー
Francfrancなんて、「腐って乱れる」のほうですよ! 何かあっても誰も見つけてくれないんですよ、私たち。腐乱腐乱ですよ、最期。だから、これからどうするかっていうと、ダウンサイズしても「楽しい!」っていう状況をどう作っていくかなんですよ。土地とか建物とかっていうのは、お金と直結するんですよね。でも、友だちっていうのはお金と直結しない唯一の財産。だから、コミューンをつくるっていうことが大事かなって。近所に友だちが住んでいると楽しいじゃないですか。

―雨宮さんはいかがでしょうか?

雨宮
これからの暮らしかたでいうと、神戸に移住を考えたときにすごく考えたのは人間関係。関西方面にも友達がいないわけではないんですけど、やっぱり東京の友だちとはなかなか会えなくなるので。予算が潤沢にあれば毎週東京と神戸を往復できますけど、やっぱり厳しい。家が両方にあればいちばんですけど、それはねぇ。でも40歳が射程範囲に入ってくると、急に考えますよね。なんかハッて我に返るんですよ。それまでは「お金持ちと結婚するかもしれないし~」みたいなふわっとしたことを、何割かは思っていたんですけどね。

―心のどこかにありますよね。

スー
ない。ないよ! その考えやめたほうがいいよ、はやめに。その分早くマンション買った方がお金持ちになれる。旦那はリセールできないんだから。
雨宮
お金はもうどこからも降って湧いてこないっていうのが、はっきり心身に刻み込まれるんですよ。
スー
あとね、「死ぬなー」っていうのも、ちょっと分かるんですよ。30代が終わるまでは、頭のどこかで死なないと思っていたんです。でも、あ、これ死ぬな―みたいな、初めて“死”がリアリティを持ってくる。
雨宮
人生80歳って考えたらまだ半分なんだけど、なんとなくもう、一年で言うと9月くらいまで終わったなっていう、そんな感じになるんですよね。
スー
しかも、今は90歳を過ぎている女の人も多いじゃないですか。そうなったとき、家族がいないとひとりじゃない。そうしたら、やっぱりさっきの通り貨幣価値を変えるしかないな、と(笑)。
もしくは取り壊し予定のアパートを立て替えて、独居女老人の館作ったら最高ですよ。庭でBBQやってーとか。企業さんと協力して、そういった新しい住まいを造っていけたら楽しいじゃない。
雨宮
老後の話をしていると暗い話題に捉えられがちですけど、そうじゃないんです。ちゃんと働いて一生懸命生きてきたわけじゃないですか。それなのに、その先の人生が楽しくないってイヤなんですよ。仕事もほどほどに頑張って、老後はそれなりに楽しく生きたいなって思うから、それを実現するにはどうしたらいいかっていうのを考え始めると、そういう案が出てくるんですよね。
スー
そう、そうなんです。決して暗い話ではなくて。たぶん同世代のかたは分かっていただけると思うんですけど。お若いかたは「そんな話になるんだぁ」って思うかもしれませんが、これ、全然楽しい話です(笑)
雨宮
夢がないって思われるかもしれないけど、そうじゃない。夢をどうしたら現実に着地できるかというのを考え始めたときの案なんですよね。チェンマイとか(笑)。
スー
俺たちのチェンマイです。どこの情勢が安泰かにもよるんですけど。
雨宮
政治的に大丈夫なところ。
スー
一緒に来る?

―行きたいです!

スー
チェンマイ! みんなで行こうか、チェンマイツアー。行きましょう!

―ひとりで考えると不安で暗くなっちゃうけれど、やっぱり前向きに考えていくことがすごく大切ですね。

スー
でも、できることなら結婚したほうが人生勉強にはなるんだと思いますけどね。そこで失敗しても温かく迎え入れるけど、最初から”結婚しない”って決める必要はないのかもしれません。

―そうなんですか? でも、生きていく上でスーさんがいれば安心できそうです。

スー
さぁ、そろそろツボを売る時間がやってまいりました(笑)。でも、私、こんなこと言っておきながらサラっと結婚したりしますからね。

―え?

スー
やってやるから、いつか(笑)。 そう言っておかないと、勝手に「独身女性の期待を一身に背負った代表者」とか言われちゃうんです。
雨宮
それ困りますよね、決めているわけじゃないのに。「アイツ独身じゃなくなったから、この仕事はもうなかったことに」とか言われても困るし。
スー
ライフステージ、暮らし方が変わるって誰にでも言えることだと思うし、結婚していても旦那が先に死んじゃうとかあるわけじゃないですか。だからそこは柔軟に、「私はこう」とか、「こうじゃなきゃダメ」とかは決めないほうがいいですね。
雨宮
住む人数がひとりくらい増えても平気な部屋がいいなっていうのは、家を買おうと思っていたときに考えました。
スー
増えても平気か、もしくは、賃貸で貸せるワンルームがモチイエ女子にはいいですね。

Text/千葉こころ

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住まいに興味がある方はぜひのぞいてみてくださいね。

【次回に続きます】

※2015年11月9日に「SOLO」で掲載しました