だめな人間はあなただけじゃないから大丈夫/まんしゅうきつこインタビュー(後編)

ブログ『オリモノわんだーらんど』が一躍ネットで話題となり、先日、待望の初単行本を2冊同時刊行した漫画家のまんしゅうきつこさん。
“30歳・処女・実家暮らし”の女性の日常を描いた『ハルモヤさん』と、自身のアラサー時代を振り返った前編に引き続き、後編は『アル中ワンダーランド』にも綴られた壮絶な自身のアルコール依存症体験の話題へ……。今回も、おひとりさま女性へのエールと生きるヒントが満載です。

普通の主婦なのに、知らない人から怒られるストレス

インタビューに答えるまんしゅうきつこさんの画像

――アル中になった直接のきっかけは、2012年に始めたブログ「オリモノわんだーらんど」が話題となったプレッシャーからだとおっしゃっていますが……。

まんしゅう
それまではわたし、パートをしながら庭いじりに精を出す、本当に普通の主婦だったんですよ。それが、いきなりネットで知らない人から「早くブログ更新しろ」って怒られるようになって。

――なんで会ったこともない人に怒られなきゃいけないんだ、と(笑)。

まんしゅう
Twitterのフォロワーが2万人を超えそうになった頃は、「これ以上怒られたくないから、お願いだからもう増えないでくれ」って思ってました。それに正直な話、ブログを始めてすぐにとっておきのエピソードは出し切って、ネタがなくなっちゃったんですね。つまらないなと思って、ボツにしたネタもいっぱいあるんですけど。

――ここでもやっぱり、自分で勝手にハードルを上げちゃっていたんですね。

まんしゅう
それから、徐々に漫画の仕事をいただくようになって、家事との両立がつらくなってきたというのもあります。会社に勤めながら漫画描いてる人だっていっぱいいるし、今から思えば全然大した仕事量じゃないんですけど。今のほうがよっぽど忙しいはずなのに、そのときは急な環境の変化にパニックになってしまって。

――それで、お酒で気を紛らわすようになっていくわけですか。

まんしゅう
お酒を飲むと、めちゃくちゃ家事がはかどるんですよ。テンションが上がってすごくいい気分になるから、鼻歌混じりで普段やらないような窓ふきをしたり、千鳥足で高圧洗浄機まで持ち出して壁をきれいにしたり。朝起きると家の中がきれいになってるから、知らない間に小人がやってくれたような感覚で気持ちよかったんですよね。