陶酔力が高そうで低いクリエイター女子
このことを考えていて、一つ思い出したことがある。
女性の生涯未婚率を職業別に調べてみると、顕著に高い職業として著述家や美術家、記者、編集者などのクリエイター職が挙げられるというのだ。
(参照https://tmaita77.blogspot.jp/2015/05/blog-post_9.html)
色々なケースがあるとはいえ結婚する人は多くの場合恋愛する。創造を仕事にしているクリエイター女子は物語と親和性高そうだし陶酔力高そうで、先ほどの話からいえば、陶酔力が高ければ必然的に恋愛力も高いはずである。
ところが、クリエイター職女子の生涯未婚率は他より高い。これは一体なんでかと考えてみると、クリエイターの仕事のあり方に行き着く。彼らは本来、自分の作るもので人を酔わせるのが仕事であって、自分が酔ってしまってはいけない人たちなのだ。大抵のクリエイターはおそらく作品を作る過程で、今自分が自分に酔ってないかということに絶えず気を張っているはずである。自分に酔いながら作り上げたらものは妙に鼻に付く、くっさいものになってしまうから、自分から一歩引いてものを作る。
つまりクリエイター女子はこういった理由から職業柄、陶酔力が低くなりがち、そして自ずと恋愛力も低くなりがち、そのために生涯未婚率も高くなりがちな傾向にあるんではなかろうか。
ところがよくよく周りを見ていると、クリエイター職に代表される陶酔力低めの女性達が、いともたやすくのめりこんでしまう類いの恋愛が一部にある様である。それは一体何かっていうと、いわゆる性悪な男との恋愛である。
既婚者とか、一部の文化人とか、カルト宗教(あるいはそれに似たような集団)の教祖様とか、何の因果かそういった人たちというのは、一般的にはあまり知られていない陶酔力低い女性の扱い方を熟知している。
陶酔力が低い女性は、自分の気持ちを最大限尊重されながら穏やかに展開される、優しさ溢れるほのぼのとした恋愛には全然陶酔できない。考える余地があればたちまち自分を冷静に見つめるもう一人の自分が脳内に出演してしまうからである。脳内のもう一人の自分は、ほのぼの恋愛を楽しもうとする自分を脳内で粘着質に実況してくる。そうやって陶酔を妨害してくるんである。ところが性悪な男というのは、相手の気持ちを微塵も考慮せず、好き勝手に、一方的に自分のペースに巻き込む。翻弄し、支配し、傷つける。そうやって痛いほどの苦痛を味わって、正常な感覚を麻痺させたときに、陶酔力低めの女子たちはようやく、脳内のもう一人の自分を抹消できる。へとへとになって初めて、恋愛に陶酔できるのである。