洋館のような純喫茶「水車」にまつわる、ステキな恋の物語

昔、純喫茶は出会いの場所でもあった

長期だった大型連休、皆さまはどのように過ごされましたか? 遠方へ旅に出た方、混雑を避けてのんびりと休養した方、それぞれだと思います。私はいつもより少しだけゆっくりとした日々を送り、後半は秋に発売予定の新刊取材のため関西へ出掛けておりました。

取材などを通じて純喫茶を営む人たちにお話を伺っていると、しばしば「かつてはお見合いなどにも使われていてね」ということを耳にします。自宅に広いリビングがなく、冷暖房も完備されていなかった時代に、純喫茶という場所は友人たちと集まるサロン的役割のほか、空調の効いた空間でカラーテレビを楽しむ居間のような場所だったそうです。

また、先述した通り、出会いの場所も担っていたようで、店内にある小さな池に架けられた赤い橋を二人で渡るとそのご縁は上手くいく、というエピソードがあるお店も……。

この純喫茶で出会った、素敵なマスターご夫妻

今回は、先日訪れたある純喫茶で伺った素敵な恋の物語をおすそ分けしたいと思います。

新大阪駅から御堂筋線で約30分。長い間好きでたまらないバンド・赤犬の皆さんが純喫茶イベントに出演して下さった時に「素敵なお店がある」と教えてくれたお店「水車」を目指してやってきたのは西田辺駅。
今までもチャレンジしたものの営業時間に上手くかみ合わず、灯りの消えた外観を眺めては来た道を引き返すことが何度か続きましたが、ようやく念願叶って入店することができました。

難波里奈純喫茶画像
難波里奈純喫茶画像

扉を開けてまず圧倒されたのが、2階への吹き抜け。洋館のような階段の頭上には、たまに飲食店で見かける黒い球体のスピーカーが2つ。

難波里奈純喫茶画像

上がらせていただいた2階は広く、窓からは午後の光が差し込み、穏やかな空気を醸し出しています。

難波里奈純喫茶画像
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1階に戻り、お客さんの波が落ち着いた頃にマスターご夫妻にお話を伺いました。特に印象的だったのは、お二人の出会いがまさにこちらのお店だったということ! 近所に住んでいた奥様(とっても美人!)が毎朝通勤前にモーニングを食べに来ていて、その存在に気付いたマスターが一目惚れし、勇気を出して連絡先を渡したことがきっかけでお付き合いに至り、ご結婚されたのだそう。

難波里奈純喫茶画像
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お二人のやり取りや目配せに仲睦まじさを感じる瞬間が幾度もあり、とても微笑ましかったです。「お昼時は近隣のサラリーマンたちで混むけど、14時以降はゆっくりできますよ」とのことでしたので、その時間帯に訪れて珈琲を片手に心温まるエピソードに耳を傾けるのはいかがでしょうか?

難波里奈純喫茶画像
難波里奈純喫茶画像
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Text/難波里奈

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