「これはまるで恋のようだ」と叫びたくなる、憧れの純喫茶「エトワル」

 街を歩くと視界に飛び込んでくる鮮やかな紫陽花たちを楽しめるこの季節ですが、いかがお過ごしでしょうか?

 ありがたいことに 2018 年は純喫茶にまつわる著書を数冊出版させて頂くこととなり、3月からはその取材のため、全国の純喫茶を行ったり来たりしておりました。直近の予定としましては、 7月3日に『純喫茶とあまいもの』というタイトルの本が発売となります。帯のコメントを書いて下さったのは、なんと! 長らく大好きなサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんです。

「純喫茶とあまいもの」書影

 現在、神保町の東京堂本店1階レジスペースでは、先駆けてパネル展示も行っておりますので、純喫茶巡りなどでお出掛けの際はお立ち寄り頂けますと幸いです。

恋い焦がれていたあの店に

 さて、この春は毎週のように取材で色々な純喫茶を訪れてはお店の方に話を伺う休日を過ごしておりました。少しその遍歴を綴ると、関東 1都6県はもちろん、北海道から九州まで3ヶ月で26県を旅してきました。どちらも素晴らしい純喫茶ばかりでしたので、今後の新刊の発売も楽しみにして頂けますと嬉しいです。

 いつも遠くの純喫茶に赴くときは、時間の許す限りその周辺を散策し、好きなところをたくさん見つけて、その記憶を反芻しながら珈琲を飲み、お店の方と街について話すというのが常です。そうすると、自分で見た風景がきちんと記憶に色付くようでとても良いのです。

 直近の新刊取材とは関係なしに、途中下車をしてでもどうしても寄りたい純喫茶がありました。
山口県の防府にある「エトワル」です。

純喫茶エトワル

 訪れた人から話を聞いて数年間、「近いうちに必ず」と恋い焦がれていた店です。