片道四時間かけてパフェを食べに・・・!おひとりさま純喫茶の楽しみ方

この度、連載を始めさせていただくことになりました、難波里奈と申します。
はじめに自己紹介として私の素性をお話しすると、普段は東京日本橋で会社員、日暮れからは「東京喫茶店研究所二代目所長」という肩書きで活動中です。長年愛してやまない純喫茶へ毎日のように出掛けては、『純喫茶コレクション』というブログに綴っています。

「純喫茶」の定義は一般的に「酒類とホステスを供給する特殊喫茶と違い、純粋に珈琲などを楽しむ店」とされますが、私の中ではもっとゆるやかに、「近隣の人たちに愛され、昭和の時代から今も変わらずに営業している喫茶店」と考えています。そして純喫茶は、一見外から店内の様子が分かりにくいため、入りにくい印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?その気持ちは大変良く分かります。
現在では、全国北海道から沖縄まで1500軒近くの純喫茶を訪問した私ですが、最初の頃はドアの向こうの様子が全く想像できず、散々迷ったあげく引き返すことも多々ありました。

しかし、扉の向こう側にはっと息を飲むようなレトロで落ち着く空間が広がっているとしたら…?そこでは美味しい珈琲や、思わず懐かしい気持ちになる美味しい食事があるとしたら…?
この連載では、実際に私が足を運んだ純喫茶を紹介していきたいと思います。ご覧下さった皆様がその店を訪れて下されば大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願い致します。

片道4時間以上!噂のパフェを食べに広島まで…

純喫茶まきしむの店内写真 まきしむ

今年の夏の出来事です。以前から「素晴らしいパフェを出す」と噂に聞いていた純喫茶が閉店することを知ったのですが、それは私の暮らす東京の話ではなく、新幹線で片道4時間以上かかる広島県のことでした。しかし、私は躊躇することなく新幹線のチケットを購入し、わずか800円のパフェを1杯食べる、そのためだけに広島へ向かったのです。
こうした衝動は、実は今回が初めてのことではありません。今までも「純喫茶」と「閉店」という言葉が組み合わさって聞こえてくる度に、何度もあったのでした。