「隙がない」人間というのは、いない!

ではどうすればいいのか。「隙がない女性」が考えるべきは、「ボール球を打たない」ことではなく、「ストライクを打つ」ことです。つまり、ないものを創造しようとすると「ない」ことに意識が向いてしまうので、「もともとあるものを効果的に出す」という方向に考え方を切り替えればいいのです。

私見ですが、本当にまったく一分の隙もない人間、というのはいません。みんなそれぞれ、隙、それも魅力的な隙がある。これが大前提です。あとはその隙がどこにあるのか、本人が自覚すればいい。
たいていは、自分が好きなものの話をしているとき、楽しいと思う瞬間に立ち会っているとき、こういうときに人は隙だらけになります。
あとは逆に、何かに対してものすごく妬みを持っていて、その嫉妬を素直に表明しているときとか。ようは、感情が強く出ているシーンですね。繰り返しますが、「ないものを創造しなければ」と考えると肩に力が入って悲しくなってしまうので、「もともとあるものを拡大する」と考えたほうが、自分もまわりも幸せなのではないかと思います

そしてこれは、「隙がない」といわれ悩んでいる女性以外にも、私が広く伝えていきたい考え方です。今の社会は、広告にしろ漫画にしろSNSにしろ、「ボール球を打つな」という助言が溢れかえっているように思います。
だけど、一度問題が自覚できたらいつまでも「ボール球の見極め」をやっている必要はありません。ストライクを打ちに行かなければ。

読書の秋……というにはもう随分寒くなってきてしまいましたが、私が秋の夜長に考えていたのは、そんなことです。みなさんはこの命題、どう考えますか?

※2016年11月4日に「SOLO」で掲載しました