「趣味がない」「何をすればいいかわからない」
会社の人とよくごはんに行く。
ここで指す「ごはん」は昼夜両方。なんだかんだ、週に1度は必ず社内の誰かとランチや飲みに行く。他の会社はわからないが、私が経験した3社のなかではかなり仲がよい。社員同士のコミュニケーションを円滑にするために会社からお金が出ることもあるし、年齢の近い人がたくさんいるというのもあるからだろう。
嫌か? と言われると特にそうでもなくて、まあまあ話すクラスメートに誘われて遊びに行く感じと似ている。友達から「今、大勢で飲んでいるから来ない?」と誘われた飲み会とか、友人の恋人を紹介されるための食事会とか。まあ誘われたしいいかなあ、くらいの感覚。上司や先輩、社長が同席することもあるけれど、ラベルを上にして酒を注ぐとかアボカドとエビのサラダを取り分けるといった気を遣うことも気負うこともなく、仕事からプライベートのこと、数時間後には忘れてしまうようなどうでもいいことを飲み食いしながら適当に話をしている。
キャラ得、と言われればそうなのかもしれない……この前も「裏表ないよね」「本当に思ったことを口に出しているだけだよね」と言われたし……ガサツだし大雑把だし……アーうん、そうかもしれない。とはいえ、私もこの感じで社外の人と食事ができるとは思っていないし、かといって正しいマナーもわかっていない。多少アウトな部分もあるだろうけど、怒られないし注意もされないからよし、ということにしている。
そんなわけで、社内の人と時間をかけて色々な話をしてきたが、意外と趣味のない人が多いということに気が付いた。ついでに友達も少ないらしい。私の友人はほぼ趣味経由で知り合った方ばかりなので、この「趣味がない」「暇な時間に何をすればいいのかわからない」という感覚がかなり新鮮だった。
そもそも「暇な時間に何をすればいいかわからない」ってなんだ?
私だったら2~3時間あれば映画を見に行ったり読書をするし、まとまった休みができれば旅行に行く。1日空いたらあのアニメやネットドラマを見たい。少し遠出をして、美術館や博物館に行ってみてもいいかもしれない。満喫に籠ってうっすいカフェラテ啜りながら漫画を読みふけるのもよさそうだ。会社員なのでぽっと休みができることもなく、この「もし○日間の休みができたら?」という妄想は、割と捗る。そして、やりたいことが尽きることはない。
趣味も多い。趣味を仕事にし、生活をしている友達もたくさんいる。だから、時間やお金を忘れるくらい没頭できる趣味があることを当然のように思っていたけれど、どうやらそうではないらしい。「趣味がなくて、友達も多くない人」というのは、珍しい存在ではなく、世の中ごろごろいるみたいだ。
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