仕事の能力や姿勢を評価してほしい

仕事関係で知り合った人でなければ、同じ会社で働く人でなければ、さらっと受け流してしまえるし、これほどまでにしんどさを感じなかったのかもしれない。でも、仕事においは男女の能力の差なんて関係ないはずなのに、明らかなボーダーラインを引かれている気がして辛い。

そもそも仕事に容姿の優劣は関係がない。化粧だって、気に入った服だって、つけているピアスだって、ヘアスタイルだって、仕事には関係ない。周りの人も関係ない。自分がしたいからしているし、自分が気に入ったから身に着けているだけなのに、きれいだとかかわいいとかブスだとかそうじゃないとか、見た目の評価が多少なりとも影響している気がしてしまうのだ。だから、「きれいですね」と言われたり、ちゃん付けをされたりしているのは、私の能力が明らかに低くて、容姿や若さ以外に評価すべき点がないからではないだろうか、という結論付けてしまうときがある。
だって、私の上司や先輩に、そういうナメくさった発言をしているところを見たことがない。きちんと仕事をし、頼りにされている。彼女たちを見ていると、私とは違って、きちんとひとりの大人として、同じ会社で働く1人の人間として、同等に扱われているようにどうしても見えてしまう。

私はかわいらしくもないし、女性らしくもない。この2つの想いが心のどこかに必ずあって、だからこそ、仕事を頑張ろうと思ってきた。馬鹿にされないように。舐められないように。性別に関係なく、男性社員にも負けないつもりで仕事をやってきたつもりだ。だからこそ、余計な「女扱い」は、時に私の今までの糧や自信をはぎ取っていくものになっていく。

「若いうちだけだから」とか「褒め言葉なんだから、いいじゃない」という人もいるかもしれないけれど、一緒に仕事をしている人に対する、容姿や性別を揶揄するような発言は、どうしても違和感を覚える。
関係ないのだ。若いとかきれいとか。仕事と一切関係ない評価なんていらないのに、結局「若い女」という箱にぶち込まれて、ナメられているだけなんじゃないかと思ってしまう。
「若い女」というブランド力をうまく利用して、仕事でのし上がることも、うるせえおじさんどもを黙らせることも、やろうと思えばできるのかもしれないけれど、私にそんな力はない。

ちゃんと、仕事の能力を見てほしい。仕事への姿勢で評価してほしい。若さとか、性別とか、容姿とか、関係ない部分への発言は口を謹んでほしい。こういう場面において、細かい注意をしていると、私がただの「面倒で気難しくて、言ってはいけないことが多い人」と認識されてしまう。笑って、やり過ごす以外に方法がない。

私が少しだけ我慢して、受け流せばいいのだろうが、この私の小さな違和感はどこへ向かわせればいいのだろう。ただ、女の私ではなく、ひとりの人間として見てほしいだけなのに。

Text/あたそ