必ずどこかに自分に適した居場所がある

大学を卒業してからの将来の道を考え、会社員として働くことを選んだとき、年上の友達から、「え、普通に働けると思ってるの?」と真剣な顔で聞かれたことがある。それも、ひとりやふたりじゃない。「え、就職する気あったんだ……」とか、「ずっとフリーターとして遊んでいきていくのかと思ってた……」とか。反応はさまざまだったけれど、どうやら私は、周囲の人からも普通に働くことが向いていないと思われていたようだ。

けれど、色々な縁の巡り合わせでなんとか自分に合う仕事、社風のもった会社で働くことができている。私は今の会社が好きで、とてもやりがいを持っている。周囲の人と力を合わせて何かひとつのものを作っていけることが楽しい。自分のわずかな力を認めてもらい、目に見える形で誰かの役に立っていることが、誇らしく思う。
どこかでくだらない冗談が聞こえるたびに、今の会社に入れてよかったな、としみじみと考えながら、毎日働いている。嫌なこともよくあるし、不満がないと言えば嘘にはなるけれど、おおむねは満足している。

私はきっと会社員に向いていない。社会人にも、大人にも。酒癖も悪いし、敬語もロクに使えない。マナーもよくわかっていない気がする。この間も、先輩に「仕事をちゃんとやってるところ以外、まじでクソですよね」と言われたばかりだ。たぶん色々な人からしょうもない奴だと思われているのだろう。友達だけではなく、会社の人からも。
けど、そんな私でも、認めてくれる場所がある。色々なことに向いていない私にも、ちゃんと力を発揮できるところがある。何事も相性なのだと思う。
向いていなくても、たくさん失敗しても、自分の居場所を作ってくれる人はいる。必ずどこかに自分に適したところはある。仕事だけではなくて、生活のなかでもこんな風に自分の居心地がいい場所を見つけていけたらいいな、と思う。

Text/あたそ

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