人生で大切にできる人、何人いる?
私は人との関係が長続きしない。どんなに関係が長くても、5年とか10年とかそれくらいの年月で不思議と距離が遠くなってしまう。
大学時代にできた友達もそうだ。大人になってしまった今は、1年に1度会えばいいくらいの関係になっている。縁がどんどん薄まっているんじゃないかと思う。最近では、連絡を返すのも重苦しく感じることがある。
きっと私は彼女たちからの誘いを受けても、「忙しいから」という理由をつけて、なんとなく断ってしまう日が来るのかもしれない。どんな顔をして会えばいいのか、私にはわからなかった。
「人が毎日の生活のなかで大切にできるのは8人まで」と聞いたことがあって、私の友達の数はその8人をゆうに超えている。でもその分、他の人と比べて短い期間で入れ替わっていく。新しい友達ができる代わりとして、関係も長続きしない。優先すべき人がどんどん変わってしまう。
新しい出会いがあることは素晴らしい。狭い人間関係に縛られることはないし、自分の興味を持つ同じ方向を見ている人とちょうどいいタイミングで出会えることは、心地がよい。
けれど、私には長年見続けてきた人も、長い間私のことをずっと知ってくれている人も、この世にひとりとして存在しない。それが、たまにひどく恐ろしいことになってしまった気がしている。自分の生活のなかに起きた他愛のない話をする相手も、一緒にいることが安らぎにつながる人もいない。
私は自分のなかで作り上げた、対人用の性格と表情を装備し、可もなく不可もない人物を演じ続ける。誰かと一緒にいる空間では演技をしている自分から抜け出すことがないから、私はきっとひとりの時間が好きなんだろう。
人間関係のなかで、居心地のよさや自分が深く考えなくて済むように、流れ流され、今の人との付き合い方ができ上がってきた。気に入っているし、困ってもいない。けれど、たまにものすごく不幸なんじゃないかと思うことがある。
Text/あたそ
次回は<誰かの楽しそうなSNSを見ても嫉妬なんてしない。その理由を考えてみた>です。
「SNSを見ていて、誰かに嫉妬したことありますか?」と聞かれて、今までSNSと嫉妬が繋がるなんて思ってなかった。自分がやりたいことをやれていれば幸せだと感じていたからだ。嫉妬や羨望をも感じないほど、あなたは幸せを感じていますか?
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