一夜の関係が割り切れる人と、「男女の友情」は成立すると思う人との差

一夜の出来事を割り切れるのか?

男女に友情はあるのか一夜の過ちについて考えてみる画像

「今、『シンデレラ体重』っていうのが話題になってますよね」
「え? シンデレラバスト? こいつ、貧乳なんですか?」

私の質問に対して見当違いな回答が返ってきて、「貧乳かどうかは、お前が一番知っているじゃないか」と思った。
この時、私の目の前には、男性と女性が2人座っている。私は、この2人にかつて体の関係があったことも、女性が未だに男性にかすかな好意を持っていることを知っている。一度でもそういう関係があって、でも付き合うことはなくて、それなのにこうして同じ飲み会に参加して隣同士で座り、普通の顔をしてお酒を飲みながら私の話に笑ってくれていた。
この空間にヒヤヒヤしながら、上手く酔っ払うことができていないのは、私だけな気がしていた。「ああ。この2人は、私とはまったく別の生き物なんだろうな」と思ったのも、よく覚えている。

目の前にいるAさんとBくんがもともと知り合いだと知ったのはつい最近のことで、別々に会うことはあっても、同じ席でお酒を飲むには初めてのことだった。
Aさんは太れない体質で、貧乳らしかった。そんなAさんとは飲んだときに、Bくんとのことを「私、一回そういう関係になっちゃってさ~」と、何も傷ついていない風に、自分のなかで減ったものが何もないように言っていた。やっぱり、別の生物なのかもしれなかった。
「いやあ、そういうのやめておいた方がいいよ」と口を挟むと、「後悔はしているんだけどね」という答えが返ってくる。後悔している関係のことを共通の友達に話してしまうのも、なんだか別世界の人みたいだ。そして、なんとなく私は、AさんはBくんのことを好きだったんだろうな、と思った。きっと本人に言うことはないのだけれど。

それからある日、仕事帰りにAさんからいきなり「今から飲まない?」と言われ、待ち合わせ場所の安くて不味い居酒屋へと向かうと、そこにBくんもいた。足が止まる。それと同時に、時間も少しだけ止まったような気がした。顔は、たぶん大丈夫。平然を保ったいつもの私だ。いつのもように頭に残らないような下らない話ばかりをして、家に帰る。普通の飲み会だった。普通過ぎたくらい。

もし、私がAさんの立場だったら、どうしていたんだろう。きっと、もう2度と会うこともないと思うし、連絡先も写真も消し、頭の中からすべての記憶を抹消する。そして、Bくんから紹介してもらった大して仲良くもない友達ともできるだけ会わないようにするだろうし、Bくんに教えてもらった音楽や漫画もなるべく自分から遠ざけるだろう、と思う。私にはそんな経験はないので、想像上での話でしかないけれど。

前後の連載記事