RPGの主人公みたいに無敵な私
よく、「女の子一人で、危ないんじゃないの?」「一人で、寂しくないの?」と聞かれることがあります。でも私は、自分ひとりだけで旅をすることに意義があると思っています。
私が一人暮らしをしたことがないからかもしれないけれど、今まで周囲に頼る人が誰もおらず、自分ひとりで決断をしなければならない機会に直面したことがありませんでした。
でも、旅先では、私はただ一人の外国人。何を食べ、どこを歩き、誰に話しかけ、どんなことにお金と時間を費やすのか……生活における全ての決断と責任を自分で持つことができるようになります。
例えば、道に迷った時に自分はどういう行動を取るのだろうとか、得体のしれない食事を出された時にどうするんだろうとか、そんな些細なことでも自分の性格や主体性の輪郭みたいなものが掴めるようになってくる気がして、何もかも自分でできるということが、時に強い自信に繋がったりもするのです。
文化も肌の色も違う。食べ物も宗教も違う。言葉も通じない。日本よりもずっと犯罪や窃盗に巻き込まれる可能性が高いかもしれない。そういう異国の何も知らない路地をたった一人で歩いている私は、まるでRPGゲームの中の主人公みたいで、いつだって無敵でした。
一人で決断をし、仕事も頑張ってお金も貯めて、その国の料理を口にして、たくさんのものを見て、色々な人と関わって、自分の知らないことを教えてもらって………そういう少しずつの経験の積み重ねで、私は今この道を歩いているんだと思うと、これからなんだって出来るような気すらしてくるのです。