常軌を逸している!性のおめでたさや笑いを描く「イチモツ」3選

柳川重信『力士の一物を竹尺で測る緋湯文字姿の女』文政11年(1828年) 春画-ル私物

SNSで春画を投稿していると、定期的に「男根、大きすぎw」「すげぇ男根だ…」というコメントがあります。しかしその投稿した春画を見直しても、個人的には序の口といいますか、江戸期の春画でよく見るありふれたイチモツばかりなのです。ならば真の驚くべきイチモツは、どんなものなのか?

今回はわたしが今まで見てきた春画の中で、「こいつは常軌を逸している」と感じたイチモツを3つご紹介いたします。

大蛇のイチモツ

西川祐信ヵ『新色閨の鳥貝』正徳五年(1715年)国際日本文化研究センター所蔵

こちらは今まで見た春画のイチモツの中で、ダントツの長さです。
『新色閨の鳥貝(しんしょくねやのとりかい)』(正徳五年〈1715年〉)という春本の一図です。これは気持ちよさそうに眠る男の夢の中でしょうか。股間から生えたイチモツは、ニョキニョキと伸び、とぐろを巻いています。子供たちはこの長いイチモツに大はしゃぎして、蛇のウロコを落書きしています。亀頭がちょうど蛇の顔に見えてきて、なんだか愛着が湧いてきます。女はこの大蛇のイチモツにムラムラしたのか、自分の陰部を弄っています。

空飛ぶイチモツ

暁鐘成『偶言三歳智恵(ほかんさんさいぢえ)』文政八年(1825年) 国際日本文化研究センター所蔵

この春画を最初に見たとき、「まるで突然空に亀裂が入って開かれた異次元空間への入り口(女陰)に、個性豊かなイチモツたちが吸い込まれていくようだ……!」と思いました。
最後尾のイチモツは小太りのせいか、吸い込まれる速度が遅いうえに、皮を被っていて可愛いですね。

この画像をSNSに投稿したところ「江戸時代には、彗星のことを“ハハキボシ”と呼んでいたので、この春画は彗星に見立てているのでは?」というコメントをもらいました。
とても勉強になるコメントだったので、“ハハキボシ”について調べてみると、江戸時代中期に刊行された図説百科辞書である『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』に、「彗星(ハハキボシ)」の説明がありました。

『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』 提供:ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター

春画に描かれている「ボボキボシ」と上図の『和漢三才図会』の彗星(ハハキボシ)の絵を見比べると、構図がよく似ています。きっと絵師の暁鐘成は、『和漢三才図』をまねて、この春本を描きたかったのだと思います。
ハハキボシを教えていただいたお陰で、女陰に向かって羽ばたくイチモツたちが、彗星の尾の部分であることもわかりました。そうなると女陰は彗星の核の部分になります(陰核……)