ひとり遊び日記

私だけが知っている。それだけで気持ちが高揚する「ひとり映画」という小旅行

誰かと観るのもいいけど、ひとりだとひと味違う映画。感じたもの、考えたことを自分の中でかみ締めてみよう。

私のことを知らないどこかへ行きたくなるとき

ひとりで映画見ている女性

 たとえば、自分の身の回りのものすべてをシャットダウンして、iPhoneとかパソコンとか、連絡手段を何も持たずに、私のことを誰も知らないどこかへふらっと行ってしまいたくなる。何もかも上手くいっているはずなのに、どうしても心の中の不安や焦りが消えなくてどうにもならないときもある。今自分が思ったこと・感じたことを誰かに吐き出したいのに、誰にも会いたくないときだってある。
でも、仕事もあるし、知人・友人すべての人と縁を切るだなんてなかなかできることではない。誰にも行方を伝えずに失踪してしまうのも、なんだか違う気がする。そんな勇気もないしなあ。結局、頭の中に浮かんでくる逃げ道は全部非現実的であり、行動には移せない。

 私は元々海外旅行が好きで、時間とお金さえあれば思い付きでどこへだって行くのだけれど、社会人になった今、土日休みとはいえ時間も取れず、なかなか行けなくなってしまった。週末旅行、航空券まじで高いんだよ!
旅行に行けなくなってしまった代わりに、映画という名の小さな旅行に出かける。追い詰められるたびに映画を見る。映画の中で、2時間だけ他人の頭に入り込んだり、自分の知らなかった世界を見に行ったりする。言い換えれば、ただの現実逃避なんだけれど。
それも、やっぱりひとりで、「絶対この日!」とわざわざ予定を立ててから観る。できたら映画館がいい。それも人が少ないところ。前の席との間隔が広くて、イスはフカフカだったら凄くいい。それで、温かいカプチーノをすすりながら観れたら満点かなあ。

 DVDを借りて、家で観るのもいい。まったり観ることができるから。でも、映画館の大画面を目の前にして映画だけを観るという贅沢感、没入感は格別だと思う。家で映画を見ていると、再生途中で止めてトイレに行ったり、誰かと連絡を取り合ったりすることもできるから。どうしても集中力に欠けてしまうんだよね

 ひとりで見て、誰にも分らないようにすーっと涙を流して、エンドロールまできちんと見てから帰る。誰とも感想を言い合わず、家に帰りながら「あのシーンが良かった」「あのセリフが好きだった」と、足を一歩踏み出す度に思い出し、何か自分だけの秘密を持ったような気持ちになりながら、ぼーっと歩く。
貴重な時間を過ごし、小さな世界を独り占めにできたような錯覚に陥れるのも、映画館で観る映画の好きなところだった。