
AMが、2026年9月でサービスを終了してしまうという。すべての人間はいつか必ず死ぬし、すべてのメディアもいつか必ず終了するものだと思っているけれど、ついに、ついに、AMが終わってしまうのか……! いつかこんな日が来るものとわかっていても、それでもやっぱり、とても寂しい。一つの時代が終わったのだな、と思う。
私が初めてAMを認識した(AMがサービスを開始したのではなく、私がAMというメディアを認識した)のは、たぶん2014年前後だ。当時はまさに恋愛系メディアの全盛期で、さまざまなメディアが雨後の筍のように乱立していた。中でも、AMはひときわ存在感のある「イケてる」メディアで、モテテクも、こじらせ女子のボヤキも、18禁な赤裸々体験談も、なーんでも載っていた。2026年に生きる(もはや中年となった)私たちが読むといろんな意味でハラハラしてしまう内容も少なくなかったけど、それも含めて許されていたのが2014年前後だったのだ。
そんなAMで、私が縁あって連載を開始させてもらったのは、2018年のこと。映画と本をしこしこ消費しているだけのオタクに恋愛系メディアで何が書けるんだと読者は思っただろうし、私自身も思った。結果的には、まさかモテテクを提供できるはずはないので、恋愛系メディアにも関わらず「恋愛しなくてもいいんじゃないか」「結婚しなくてもいいんじゃないか」みたいなことばっかり書いていたのは、周知の通りだ。2019年には、連載をきっかけに書籍『寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤは何だと言うのか 女の人生をナナメ上から見つめるブックガイド』も出版させてもらった。AMは、イケイケ方面だけでなく、喪女方面にも広く門戸を開き、本当に「なーんでも」載せてくれていた、懐の深いメディアだったのである。
2025年に迎えた、人生の転機
さて、私自身は2025年にAMでの連載を終了しているので、以下はちょっとした近況報告だ。
まず、連載を終了したその2025年に、人生における一つの転機を迎えた。ついに、結婚……を、生涯しないことに決めたのである。具体的には、1人で中古マンションを買ってフルリノベーションした。それまでも恋愛や結婚に消極的なほうではあったけれど、38歳にして、ようやく心の底から「このまま恋愛も結婚もなくて人生やれそうだな」と確信できたのである。たった1人で返す、35年の住宅ローンの幕開けだ(金に関しては、本当に大丈夫なのか!?と未だに超不安!)。
AMが生まれた2012年から時代は変わり、2026年の今は「恋愛/結婚しなくてもいいんじゃないか」と言う人は、もはや珍しくなくなった。でも、実践する人はまだどちらかというと少数派。自分の生き方について、これでいいのだろうかと悩み、迷っている独身女性も少なくないだろう。もしもAMに心残りがあるとすれば、私自身が炭鉱のカナリア、もしくは人柱、あるいはモルモットとなって、単身女性としての生き様をお見せできなかったことだろうか。独身のまま45歳になると本当に狂ってしまうのか、水槽で飼ってる小エビを観察する的なノリで、編集部や読者の皆さんに見ていてもらいたかったな、と少しばかり思う。まあ、自分のブログでやれよという話ではあるんですが……。
いつかまたどこかで
モテテクや楽しい赤裸々体験談もたくさん載っていたけれど、一方で、AMは決してわかりやすい結論に飛びつくメディアではなかったと思う。サービスが終了しても、14年間の長きに渡って、こんなにも懐の深い恋愛系メディアが存在していたという事実は消えない。それぞれの場所で、さまざまな決断をし、変化してきた皆さんと、いつかどこかでまた会えることを願って、AMが一時代を築いた14年間に、盛大な拍手を贈りたい。
Text/チェコ好き