
服を着たまま川で泳ぐ女性に興奮する濡れフェチだとか、鼻フックやこよりで鼻穴を攻める顔面崩壊好きだとか、アナルに指を差し込みながら「妊娠しろ!」と言葉責めをしたという逸話を持つ御仁だとか、わりといろんな性癖を持った知り合いがいます。というか、たぶん決して少なくない数の男性……だけではなく女性も、実はわりとエグい性癖を持っていたり、願望を抱いてるのだけども、しかしわざわざ人様に晒すこともないので、自制してあまり口にすることがないだけではないだろうか。
わたしの場合は長年、エロ業界に身を置いていたこともあって、オープンというか、性癖をあけっぴろげにして隠そうとしない友人知人が多く、ゆえに彼や彼女らがいわゆる変態的な欲望を持っていることを知っているだけで、もしかしていまこのエッセイを読んでいるあなたのパートナーだって隠しているだけで、実は濡れフェチの可能性もある。
バルーンフェチの女友達
ということはさておいて、ある時、友人の女性と飲んでいた際に「なんかフェチとかある?」と尋ねてみたところ、バルーンフェチだという。男女がバルーンを間に挟んで抱き締め合い、どんどん力を入れていって「割れる! 割れる!」というAVを好んでよく観ているとかで、ドキドキハラハラのスリルに興奮するのだとか。大きなバルーンの上でセックスをして、割れる瞬間にイクというのが夢のシチュエーションだとかで、想定外にマニアックだった。
そんな彼女ですが、ある時、結婚が決まったという。式にも招いていただいたので、ご祝儀を包み、髪をヘアサロンでセットして参列。純白のウエディングドレスに身を包んだ彼女は美しく、タキシードでキメた長身の新郎とは、どこからどう見てもお似合いなカップル。披露宴は海が見える素敵なロケーションで、テーブルにはさぞやこだわったんだろうなぁと感じられるセンスのいい装花が飾られ、出てくるお料理もお世辞一切抜きでどれもこれも美味しくて、「いい披露宴だなぁ」とうっとりしてしつつ、どうしてもわたしにはひとつ、気になることがあった。
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