S女性たちを見て思ったこと

一般の方たちなので、あまり詳細は避けますが、実生活でMだという女性に会うことはままあるけれど、Sだっていう女性に遭遇することってあんまりなくないですか。わたしにはミストレスをしている女友達が何人かいるけれども、SMクラブとかに所属していないS女性はあまり出会ったことがない。まぁ、わざわざSだと申告してこないだけで知人友人の中にもいるかもしれないけれど、とにかくステージ上のS女性たちを見て思ったのは、どこか風格があるといいますか、迫力あるオーラがだだ漏れているということでした。

そんなS女性たちの気を惹こうと、マゾたちが「ご挨拶」などのマゾ仕草を各々ポージングしたり、空気椅子の体勢でS女性たちに蹴られたり乗っかられたりして、マゾとしての機能を確認されたりと必死に頑張っている姿に、笑いながらも心打たれた。

性癖を露わにできる場所

そもそもはLunaって、マッチングアプリ。しかも性癖でつながるというコンセプトなので「自分をわかってくれる人と出会いたい」という願いを持って利用を始めた人も多いってことを考えると、こういうふうに人々が各々の性癖を露わにできる場所を作っていることって尊いなぁと思うと同時に「わたしも! マゾオークションに参加して! 誰よりも安い値段で落札されて! 屈辱に塗れながら! 『なんでお前らよりも安いんだよ!』とマゾ男性に絡み倒したい!」と思ったんですけども、これってどういう欲望でしょうか。

Text/大泉りか