韓国や台湾への弾丸旅行であれば、スケジュールがタイトなことが多いので、同行する友達とエアーの便を合わせますが、長めの旅行の場合は、それぞれが都合のいい時間や値段のエアチケットを買って、現地で待ち合わせしたり、現地解散したりすることがよくあります。今回のタイ旅も、行きは友達と便を合わせ、帰りは友達が一日早く日本に戻るというスケジュールでした。
海外旅行は、基本的には同行者がいたほうがいろいろ都合がいいことがあります。第一には、遊んだり観光をするのに、友達がいたほうが楽しいし、ひとりだとちょっとなぁというお店――現地料理をヌーベル化したオシャレな店だったり、逆に現地人しかいないローカルディスコだったり――にも入りやすいというのがありますが、それ以外にもいろんなメリットがある。
ひとりメシだとお店に入っても一品が基本ですが、ふたりいれば、何皿かオーダーできるもちろん、魚一匹をバーベキューしたものや、鍋ものなんかも選択肢に入れられる。移動のタクシーだってレンタカーを借りるのだってホテルだって、ふたりで割り勘するほうが安く済む。
とはいうものの、ひとり旅にはひとり旅の良さもあります。自分の興味だけに時間を使えるところや、気が変わっても誰にも迷惑をかけることなく好きに過ごせるところ、孤独に浸れるところ。あと、人にいうと引かれがちなのですが、特に東南アジアとかだと「このまま日本に帰らずに、行方をくらませることもできる……わたしは! 自由だ!!!」と心の底からの解放感を味わえる。実行はしませんが。たぶん。
パリピが大騒ぎするカオスなカフェへ
というわけで、今回の旅でも最後の一日だけ、ひとり旅気分を味わうことになりました。宿は昨晩の引き続き、カオサン。前日に女友達と泊まった宿にそのまま滞留です。女友達のフライトは深夜便だったので、夕食まで一緒にとって解散。女友達はタクシーで空港に、わたしは酔った勢いでバイタクでカオサンへと戻ったのですが、めちゃくちゃ飛ばされて深夜の30分バンコクトライアル、死ぬかと思った。
ひとりで戻ったカオサンは、昨晩と変わらず、パリピたちが路上で大騒ぎしていました。今夜はわたしも行ったるぜ! とその中に突っ込んでいき、DJのプレイにあわせて踊る人あり、笑気ガスを吸ってゲラゲラ笑っている人あり、浴びるように酒を飲んでいる人あり、というカオスなカフェの、路上に出されたテーブルを今夜のベースと決め、乱痴気騒ぎをつまみに飲酒開始。
わたしの隣のテーブルでは、露出多めのタイ人ギャルふたり組が、白人男性4人と盛り上がっている。パタヤのイサーンディスコのパパ活女子とおぢとの攻防に引き続き、今夜も面白い駆け引きを楽しめそうだと期待しつつ、路上に据え置かれたお立ち台の上で、男たちに見せつけるかのように体を艶めかしくくねらせて踊り狂っている白ベースの花柄のロングワンピースのかわいい系ギャルと、黒のボディコンミニワンピにワンレンのちょいケバギャルという、例えるならばタイの『ベッド・イン』のような彼女たちの動向をつまみに飲んでいたところ、ケバギャルのほうと目があった。と思った瞬間に近寄ってきてわたしの腕を取り、隣のテーブルに移動するように促されたのです。
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