もう全て変わってしまったの?

「なんだか客層がすっかり変わったんだなぁ」と、さみしく思いつつ、もうひとつの変化に気が付いたのはゴーゴーボーイズたちがステージにずらりと並んで、指名待ちをする顔見せタイム。かつてはパンイチでウエストの部分から勃起した亀頭をチラリと見せるのが定番だったのに、全員が私服姿だし、半分ほどはサングラスやお面をして顔を隠している。その晩のお相手を探しに訪れていたゲイ男性たちから、物見遊山的な観光客へと客層が様変わりしたことで、旅の思い出としてSNSに顔を晒されるリスクが増えることとなり、その防衛策として顔を隠しているようなのです。もちろん、そんな客層ではゴーゴーボーイをお持ち帰りする客なんているわけもなく、「なんだかなぁ」ってな気分で店を後にした我ら。諸行無常。

が、その先には希望があった。同行者のひとりのパタヤ夜遊び手練れ女子が「今夜のホテルの側にゲイビーチがあって、その近くにローカルっぽいゲイタウンがあるんで、行ってみます? 最近行ってないから、どんな状況だかわからないけど……」と。一応ワンチャン賭けてみようとタクシーで駆け付けたところ、なんと! 本来の客層であった白人のお爺ちゃんたちが、若いタイのボーイズを侍らして飲んでいるではないか。「ガチ勢はこっちに移っていたのか!」と顔を見合わせた我ら、上半身裸&白いショートパンツ姿でTikTokのようなダンスを踊っているボーイズにビールをご馳走するなどして、楽しい夜は過ぎていったのでした。タイ、最高!

Text/大泉りか