作戦を間違えた!と後悔したが…

そんなわたしに、20代前半のセラピストは、SMの歴史と現在のあらましについて解説を始めた。緊縛はいまはロープアートとして世界で賞賛されているとか、もともとは江戸時代に罪人を縛ったのは発端とか……。それを「なにも知りません」という顔で聞く申し訳なさよ。完全にまずったと思ったところで後の祭り。

しかしそうは言っても、セラピストのほうは完全に現役であるわけで、わたしが知らない最新のSMトレンドが出てくるかもしれない、と期待したものの、向こうはわたしがズブの素人だと思っているので、そう濃い情報が出てくるわけがない。
「あー! 完全に作戦を間違えた!」と後悔しつつ、そもそもSMというちょっと特殊なプレイの得意なセラピではなく、色恋系とかテクニック系とかのセラピの話も聞きたい、と思ったんですが、その日の出勤が少なかったのか、それとも卓が盛り上がっているように見えたのか、着け回しなしで、セット終了まで延々とSM系のセラピと過ごすことに。まぁイケメンだったし延々と性の話が出来るところがホストクラブよりは楽しそうとも思ったので、またちょっとリベンジしてきます!

Text/大泉りか