「人間関係リセット症候群」の可能性も

今回、相談文を読んで「彼は人間関係リセット症候群の可能性があるのかな?」と感じたのですが、この名前を聞いたことはあるでしょうか。
ここ最近メディアやネットで話題に上がったことがあるため、聞いたことがある人もいるかもしれません。
わたしは医療従事者とはいえ、精神科医でも臨床心理士でもないため専門的な知識はないのですが、知らない人のために簡単に説明させてくださいね。

人間関係リセット症候群とは、これまで築いてきた人間関係を一気に解消するのを繰り返すこと。“症候群”とついていますが医学的な診断名ではなく、心理状態のことを指します。
たとえば、いつまでも連絡を返さないままだったり、突然音信不通になったり、SNSのアカウントをすべて削除したり、転職を繰り返したり。SNSで変な人にしつこく粘着されるだとか、ストーカー被害に遭ったりだとか、目立った理由がなく人間関係をリセットするのが特徴です。
この行動を取ってしまう背景として、マイペースな性格で人に気を遣うのが億劫になったり、見捨てられ不安が強くて「相手から疎遠になられるくらいならいっそのこと自分から……」という思考に陥ったり、完璧主義者で人間関係のグレーな状態に耐えられなくなったり、相手の態度を悪い方向に捉えてしまって「自分は嫌われているのかも……」という想像に耐えられず自分の身を守るためだったり、様々な理由が考えられます。

彼もそうだと決めつけているわけではありませんし、そもそもわたしは診断できる立場にないため、あくまでも可能性のひとつとして挙げたに過ぎませんが、彼なりに正当な理由があったのでしょう。
人間関係をリセットしてしまう心理状態はとても心配ですし、とてもしんどい状況だと想像できますが、リセットされた側にできることはないと思います。

どうやって今の状況から前を向いたらいいか、とのことですが……重ねてになりますがどうしたって彼の真意を知る術はないため、何をもってしても憶測の域を超えることはできません。
だから、もしわたしがあなたの立場だったら、と仮定でお話しさせていただきますが、改めて自分の言動をチェックしてみて、反省すべきところが見つかれば反省して、それ以降は誰かに彼の近況を尋ねることなく「そういう人だったんだな」「こういうことも人生にはあるよな」と無理矢理に帰結させます。
今後彼から気軽に連絡が来ることがあったとしても、特に深入りせず、追及もせず、“そういう人”という認識を持ちつつ、ほどよい距離感を保っていくでしょう。
彼を受け入れるも受け入れないもあなた次第ですが、何か理由がある場合はさておき、自分の正直な気持ちを伝えてくれず、理由も言わないまま離れてしまう人とは、どちらに原因があったとしても結局はいい関係を築いていけないだろうな、とわたしは思うから。

人間関係は失敗と自省と改善の繰り返し

私事で恐縮ですが、昨年、かなり長い付き合いでとても仲がよかった友人と疎遠になりました。
とてもかなしかったですし、反省もしましたし、相手への怒りもありますが、こればかりは仕方がないな、と今は納得しています。
どれほど仲のよい友達でも、お互いの環境の変化や年齢を重ねることによって、考え方や価値観に差が生じるものですし、どうしたって自分とは別々の人生で、運命共同体にはなれるわけではありませんから。

あなたに「こればかりは仕方がないよ」と偉そうなことを言いつつ、その友達と疎遠になってからだいぶ時間が経ったものの、正直なところ完全にその事実を受け入れ切れていないのも事実です。
きっとこれから先も引きずるでしょうし、「もっとこうしたらよかったんじゃないか」「いやでもな、やれるだけのことはやったし」「でも向こうが悪いよな!」「やっぱりなぁ……」とたまに思い出して繰り返すんだろうな、と思います。
ただその分、今も周りにいてくれる人たちとの距離感を見誤らないように、目いっぱい大事にしようと心に決めています。

あなたも、彼と過ごした時間が楽しかったのは事実でしょうから、その思い出まで否定してしまわないように、ある程度自分の言動をチェックし終えたら、「そういう人だったんだな」という認識に留めて、目の前の人たちを大事にしていくことをおすすめします。
人間関係は、失敗と自省と改善の繰り返し。これは、一生続くことだと思うのです。

Text/ものすごい愛
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