母の日に何もしない罪悪感。どうしたら「普通の家族」になれるのだろうか

母の日に何もしない罪悪感

by Natasha

一昨日は母の日でしたね。

まあ、家族仲があまりよろしくない私にはまったく関係のない話になるんですけど、登録したままのLINEギフトから「母の日ギフトで使えるクーポンを使ってありがとうを伝えよう!(原文ママ)」というLINEの通知が来るたび、最寄り駅近くの青山フラワーマーケットが赤とピンクのカーネーションで埋め尽くされる光景が目に入るたび、会社近くのローソンで「母の日&父の日のプレゼント特集!」というチラシを見るたび、それでも胸がざわつく。何も準備をしない、する気もない自分に対する罪悪感がひょっこり顔を出す。

本当にこのままでいいんだろうか? と思う。自分から家族との仲を修復する努力をしないまま、お互いに何も知らない他人同然のまま、年齢を重ねていいのだろうか? 本当に? と思う。

弟が結婚したようで、先日顔合わせに出席した。4月の頭くらいに「結婚するんだけど、顔合わせ来る?」という姉弟での初めてのLINEを交わし、「妹が同席するなら私は行きません」というわがままにも対応してもらい、友達とは「何を着れば!」「お金は!」「当日は黙っていればいいんか!ボロは出さん!」などと騒ぎ、なんとか当日を乗り越えてきたのがちょうど2週間くらい前。

弟と会うのは7年ぶりくらいで、母にも1年以上会っていなかった。4頭飼っていた犬がすべて死んでしまってからは連絡を取る必要も、会う口実もなく、月日だけが経過していた。気づいたら、まともに連絡もしないまま、顔も見せぬまま、1年以上が経っていた。これが普通の家族の距離感だとは思えないが、お互いに無関心・不干渉であるのは私にとってありがたいことだった。

自分の家族とは久しぶりに会いはしたが、それでも私たちは普通に振舞えていたんじゃないか、と思う。弟が、お嫁さんに私たちの家庭環境をどこまで話しているのかは知らない。私が弟に「そういえば、今仕事何してるの?」とか、母に「妹って何してんの?」と無神経に聞いてしまったから、あまり仲がよくないことはなんとなくわかってしまったのかもしれないが……。それでも、母と私がしゃべり倒し、なんとか賑やかな家族の一員としてやり切れたんじゃないだろうか。

相手方の家族は関西地方の出身で、のんびりとしている。同席者であるお父さんもお兄さんもいい人で、「この人たちとなら、美味い酒が飲めそうだな」と勝手に考えたりもした。私は言葉遣いも適当だし、髪色も派手ではあるが、たぶん悪い印象は与えなかったはず……。気取ることなく、楽しく世間話をし、その場をやり過ごすことができた。顔合わせなんて初めて出席したけれど、思ったよりも悪いものではなかったかもしれない。

相手の家族についてだけではなく、自分の家族についても新しく知ることが多かった。会ってもいないし、連絡も取らなかったから当然なんだけど、私は自分の家族に関して、本当に何も知らないんだな、と思ったりもした。正直に言うと、自分の家族に関する話題にはそれほど興味も持てなくて、その場を保たせるための会話のようにも感じられた。