完璧な条件のオトコに出会ったけれど

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東大卒⇒官僚⇒大手商社⇒コンサルタント⇒政治家。
40歳。

東大卒⇒官僚⇒外資系金融。
38歳。関西出身。国費で海外の大学に留学。

いいとこの坊ちゃん⇒国立大学⇒外資系IT。
31歳。身長180cm。明るくて面白い。

私はずっと言っている。

『顔も背の高さもどうでもいい。
 学歴が高くて1000万稼いでる、
 明るくて健康で、
 私のこと好きっていってくれる人なら』

理想の人がみつかった。

私のことを好きだといってくれた。

なのになぜ幸せでないんだろう? 

こんな完璧な人はいないのに。

ずっと探していた理想の人なのに。

10年以上かけて探していた人が目の前にいるのに。

なぜ好きになれなんだろう?

それは彼のお口が、いつも半開きだからではない。

それは彼が、3分に1回は咳をするからではない。

それは彼が、食事代を割り勘して
7000円請求したからではない。

それは彼が、食べるとき
ペチャペチャ音をたてて食べるからではない。 

原因は“わたし”にある。

これはわたしの問題である。

どんなに理想を追い求めても、そこにゴールはない。

今まで走って求めてきたオアシスが蜃気楼と
わかった瞬間、私はどうしたらいいかわからない。

こういうときは、かかとのすり減ったヒールを脱いで、 
ひとまずそこに座ってみよう。

すっかり硬くなったかかとを、勲章だと褒めてあげよう。

そして横たわって、こういう時期もあるよね、
ってつぶやいてみよう。

あとは、朝起きて、流れてくる水を飲んで、
夜になったら寝て、ただただ時間に身をゆだねよう。 

大丈夫。

神様は、がんばっている人のことは、
絶対に見捨てないから。

大丈夫。

それでも前さえ向いていれば。

いつか、かならず。

いつか、かならず。