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  • 2013.03.29

カリスマを大量生産した「裏原」でガチ個性と対峙

 ティーンの個性派願望にあてられ、グッタリしながら竹下通りを抜けると、目の前にはまた新たな地獄が広がっていました。「裏原宿」です。

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

 裏原宿…通称裏原。竹下通りでの個性派戦争を勝ち抜いた末、「ここに本物の個性はない」と気付いた者だけが進めるという、敷居の高いセカンドステージ。
全体的に流れる空気としては、竹下通りが「普通から逃げたい」なのだとすると、こちらは「普通なんてくだらない」という感じでしょうか。
やや強気になっているのが特徴です。

 他にも特徴としては、至る所にカリスマが潜んでいるという点が挙げられます。
カリスマ美容師、カリスマショップ店員、カリスマ読者モデルなどなど…。
芸能人と違って、庶民でも努力次第でなれそうな「カリスマ」の勲章は、今でも若者たちの憧れの的。
…ですが、カリスマへの道は案外険しく、そこまでやり通すほどエネルギーが無い…というのが多くの若者たちの心情で、結果「カリスマ風のファッション」だけが常に流行してしまい、本物のカリスマ以上にカリスマコスプレの人口が多いという、不思議な現象が起き続けている場所でもあります。

 と、出だしから鬼のようにディスりつつ(マジごめん)、早速中へ入ってみました。
ウィンドウショッピングでカリスマ男子を品評しつつ向かったのは、話題のアートスポットVACANT。
おそらく裏原イチ敷居の高いお店で、開放的な入り口と裏腹に、選民意識で形成されたバリアのようなものが張り巡らされており、赤ちゃんですら「バブ」と言って踏みとどまりそうな雰囲気。
中を覗くと、いかにも業界人といった風貌の男子たちが立ち話に花を咲かせており、そっと入店した私たちは一瞥もされず、どうやら客として認めてすらもらえなかった模様です。
店内にはカフェスペースと併設してアートブックが数冊陳列されており、引くほどおしゃれなムード。
一応パラパラ…とめくってみたものの、びっくりするほど雰囲気にハマれない自分が悔しくて、泣きながら退店。

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

 続けて同じくアートスポットであるデザインフェスタギャラリーへ。
こちらはアーティスト志望の学生がメインの客層なので、そこまで敷居は高くないですが、アートというダイレクトな表現で若者の剥き出しな個性派願望を浴びるのはそれなりに消耗する感覚があり、色々な意味でVACANTよりも疲れるスポットかもしれません。
同行の編集さんも「なんか疲れた」とゲッソリ。

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

 いきなりアートスポットを巡礼したあとは、一連の森ガールブームの先駆けとして知られる古着屋「flower」へ。
広々とした店内は、まるで森の中にいるかのような内装で世界観が定まっており、いやにふわふわとした雰囲気ですが、いざ入ってみると刺すような店員の視線とギラギラしたお客さんとのギャップが凄まじく、すぐに参ってしまいました。
森の自然は厳しいです。

 続けて、同じく森ガール系の女子たちから絶大な人気を誇る「シアタープロダクツ」へ。
一応プライドのためにしゃらくせえ! と笑っておきつつも、普通に欲しくなるようなアイテムがたくさんあり、アクセサリーも凝っていて可愛いかったです。
が、入り口に備えられていたテレビで製造過程の映像(どれだけ私たちがこだわっているか知りやがれ、的な)が延々流されていたのを見て叫び出しそうになった。
ドモホルンリンクルかよ!

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM
少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

 お次は、きゃりーぱみゅぱみゅ御用達としても知られていて、現在のJAPANESE Kawaiiカルチャーの顔でもある「6%DOKIDOKI」へ。
ポップでキッチュなアクセサリーの並ぶ店内は幻想的で、大変不思議な魔力がありましたが、それよりも、お店を出たところにある「原宿の母」の暴力的なポスターが凄すぎて、どんなに色やセンスを重ねても太刀打ちできない圧倒的な個性に恐れ入りました。
この街の若者のぬるい個性派願望に喝を入れているみたいです。

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM
少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

 最後は、一連の原宿ファッションの総本山とも言えるラフォーレ原宿へ。
なぜか階と階の間に.5という階が存在していて、複雑に入り組んだ中にありとあらゆる個性派ショップが混在しているというダンジョンのようなファッションビルですが、屋外ならギリギリ耐えられたプレッシャーのようなものも、密閉空間だと息苦しさ倍増で、冷やかしもしにくく、また店員と客、客と客、男と女…と色々な審美の視線が乱反射しあってレーザーショー状態になるのも苦しかったです。

 そして階段の段差には一段一段丁寧に鏡が取り付けられており、登りながら自分の全身をチェック出来るのですが、階段を昇る時すら着飾る自分と対対させられるなんて、ある意味この街の象徴なのかもな、と思いました。

少年アヤちゃん 画像 恋の東京散歩 AM

…と、それっぽい事を言いつつ、本心ではそんなことどうでも良くて、感激したのはこのビルに集う男性型マネキンのエロさです。
恐らくおしゃれ男子をモデルに造られているので、普通のデパートで見かけるそれより格段にセクシーで、リアルで…なんだか妙にエロかった。
あれ、一体どこに売ってるんでしょう?
好みのマネキンを探すためだけにラフォーレに立ち寄るのもアリかもしれません。

 というわけで原宿、すごかった。
個性派でありたいという欲望を、ファッションでのみ叶えようとする若者たちのガッツは端から見ると相当無茶で、滑稽なように見えましたが、全員やたらと自信満々なので突きにくく、どんなに奇抜な恰好でも笑えないところが苦しかったです。
「いじめなんて恐れず、堂々としていなさい」とはいつかどこかで聞いた教師の至言ですが、これってガチで正しかったんですね。
私も威厳が欲しいです。

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プロフィール
大泉りかさん 少年アヤさん 犬山紙子 脱ブス

少年アヤちゃん

平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。 ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントなどを主催。モテない女に関するツイートやブログの文章が、現在多くの女性から支持を集めている。
ブログ:少年アヤの尼のような子
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平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。

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