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  • 2013.03.01

「同性愛結婚」デモで思い出した「幸せ」の秘密

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by malias

 今フランスで一番熱いニュースの一つといえば、同性愛結婚を法律で認めるかどうかについてです。日本では、男女の結婚すら危ぶまれているというのにさすがのフランス!

 この国ではパリの市長を筆頭に、テレビの有名な司会者、コメディアン、ミュージシャンまでゲイ、レズビアンであることをカミングアウトして活躍しています。
日本では、オネエタレントが人気のようですが、フランスではゲイであることがキャラクターになってウケているわけではないんですね。

 一般的に馴染んでいる同性愛者の存在もあってか、パリではバスの乗客の世間話でもこの話題を目にすることは、ほぼ毎日といっていいほどです。

 先日フランス人の友人らと夕食をしたときに、「同性愛結婚に賛成か? 反対か?」というテーマで永遠と会話が続き、気付いたらこの夜はその話だけで終わった、というほど熱い話題なのです。

 もともとフランスには事実婚の制度、PACSと言われるものがあります。
この制度は同性愛カップルにも結婚とほぼ同様の権利を、ということで作られました。
ところが現在は異性カップルの方が何倍も多くのカップルが利用しています。

 その理由は、日本のように結婚に関わる世間体とか、仕事のポジションにも影響しないからこだわる必要がなかったり、離婚手続きが大変だから等々あるわけですが…(フランスの事実婚は今後も触れていこうと思います)。

 こうも盛り上がってくると、私はもっと詳しく知りたくなって同性愛結婚賛成派のデモに参加してみることにしました(実は他にも理由があるのですがそれは後ほど)。

 「デモ」というとなんだかとっても重くて暗いイメージ。日本では原発関連のデモが増え、少し目立つようになってきたとはいえ、簡単には参加できない気配はまだまだあるんじゃないでしょうか。一方フランスでは「デモ」といわず「manifestation(マニフェスタション)」略して「マニフ」と呼ばれています。
この響きからしてなんだかカッコイイ。

パリのデモに参加して見えたこと

 ネットで見つけた情報を頼りに、現地へ一人、ドキドキしながら向かいました (こういう情報は街のポスターや、テレビ、インターネットなどで知ることができ、誰でも参加できます)。
 そしたらば地下鉄がまさかの激込み。東京の通勤ラッシュか!? と思われるほどのパリでは異例の光景です。この激込みの理由はデモに参加する人たちの混雑なのです。集合場所といっても車が一切封鎖された大きな交差店、そこに大勢の人が駆けつけ、すでにデモの先頭がどこなのかすら分からないほど人だかりができていました。

 いよいよ始まったデモは、車が一切シャットアウトされた道路を、前列の音楽隊に合わせて大勢の人がゆっくりと進んでいきます。手作り看板片手に、顔にペインティングをした人、同性愛結婚賛成のステッカーを貼った人、ビール片手におしゃべりしながら参加する人、メッセージを叫ぶ人もいますが、おしゃべりと笑い声もあちこちで聞こえるお祭りの行進のようです。

 ゲイの人ばかりが参加しているのかと思いきや、高齢の夫婦(異性カップル)から、はしゃぎまわる10代の学生らや、30代の(どうみてもデートの感覚で参加している)異性カップルまでと、様々な人たちがいました。もちろん、マレ地区(パリで一番オシャレでゲイの町)から参加したと思われるファッショニスタ、美しいゲイの皆様の姿も。
日本では目立つことのない年配の同性愛カップルもたくさんいました(結局、この日の参加者は数十万人にもおよんだそうです)。

 彼ら彼女らが持っているメッセージボードには、「みんなと同じように『結婚』!」という思いがたくさん綴られ、あるレズビアンの女性は「私のお母さんだって、おばあちゃんになりたいの!」と、同性愛者にも子供を持つ権利を主張していました。そう、結婚だけの問題ではなくて、同性愛者カップルの子供問題も絡んでいる問題なんですね。複雑すぎる!

 問題はこんなに複雑なのに、参加してみたら一人で参加する緊張感も忘れて映画『レ・ミゼラブル』で観たあの「何か時代が動くレボルーション」的な高揚感、なんだろう? 日本では感じたこともないワクワクで興奮していました。 もちろん、デモに参加することで同性愛結婚についての賛成派の人たちの訴えていること、感じていることがはっきり分かることができたのですが、それよりなにより、ちょっと忘れかけていた感覚を覚えました。

 実はこのごろ私は、異国の地に外国人として住み、毎日、毎月どうやって食べていくのか?ということに一人でうんうんと悩んでいました。
言葉や文化や、言い出したらきりのない違いも含める難しさ等々、目の前の壁に頭を打ち付けては、ダメだ、ダメだと半径50cmほどをぐるぐるしていた考えれば考えるほど悩みのスパイラルに落ち込んでしまいます。

 これって、私が日本で婚活して陥った状態となんら変わらない! 

 もういい加減にいやになって、そこでちょっと勇気をふりしぼってデモという新しい世界に飛び込んでみたという経緯がありました。
結果、気づいたのは悩むこともいいけれど、「とりあえず動いてみることでワクワクする」こと、そして最終的には自分のめざすところ辿り着く。そうそう、これって私が実践した世界婚活も同じことだったなと思い出しました。

 デモに参加していた人たちは、なにより楽しんでいて、この人たちと一緒いるだけで私も楽しいと思えました。楽しんでいる人の周りには人が集まってくるんですよね。
こんなに大切なポイントなのに、忘れたり、気付かないこと多くないですか?

特に私が日本にいるときは、「自分が楽しい」ということと、「モテそう」というものの間に壮大なギャップがあり、葛藤していました
人の目を気にして、自分の「楽しい」を真っ直ぐに追えなくて息苦しかったのです。

 ネイルだって、ワインだって、膣トレーニングだってなんだって楽しければそれで突っ走ってしまえばいい、でもそれがモテるためだなんて、本当に楽しくない。

あなたは誰のためでなく、自分に楽しいことしていますか?

Text/中村綾花

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プロフィール
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中村綾花

ラブジャーナリスト/ライター。
1980 年福岡県生まれ。県立長崎シーボルト大学(現・長崎県立大学シーボルト校)国際情報学部情報メディア学科卒。
テレビ番組制作会社でAD として勤務するも仕事に疲れ果て、ニューヨークに1年間逃亡&遊学。帰国後は20 ~ 30 代サラリーマン向けフリーペーパー& ウェブサイト『R25』(リクルート)で執筆や編集を務める傍ら、男女がもっと分かり合える場を作る「男の子の会」を主宰しNHK ニュースで全国放送される。しかし、そこに映る自分の姿に絶句し、2010 年に「世界婚活」プロジェクトを立ち上げ、世界各国の恋愛・結婚事情を取材して回りながら婚活も行うラブジャーナリストとして活動開始。
2012 年、世界婚活中に出会ったフランス人と結婚し、現在はパリにてLOVEを調査中。日仏カップルや、現地のフランス人・日本人にインタビューをする日々。
website:[世界婚活]
twitter:@ayakahan

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ライタープロフィール

中村綾花
ラブジャーナリスト/ライター。

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