女子会の薄っぺら「いいね!」は、ひとつになれたあの頃を思い出すため!?
だからこそ、女子会ではダメ出しや批判より「うんうん、分かる」といった共感のコミュニケーションが多くなる。
「席替えで課長の近くになったんだけど、何か臭いの~!」「ウッソー! うちの係長も変な匂いするんだよ~」「分かる~キモいよね~」なんて愚痴は当たり前。
「◯◯ちゃんの仕事のスタイルはこう変えたほうがいいと思う」とか、そういう発言は好まれません。
どうでもいい話、ライトな恋の話(重すぎはNG!)などに3時間も付き合えば、不思議と薄っぺらい満足感があるものです。
女子会では「女子」という前提を共有することがゴールであり、そこに男子は必要ない。
難しい議論は抜き。また、相手のプライベートまで過剰に踏み込むのもご法度です。あなたの恋がどうなろうと私には「どうでもいいね!」。「いいね~、分かる~」を駆使して互いに共感しあうことが目的です。この薄っぺらさは正直、クセになる。
そういえば2000年代の後半頃から、大人の女性を「女子」と呼ぶことが一般的になりました。
それまで女性の呼び方は、極端にいえば「女の子」か「オバサン」のどちらか。20代後半以降の女性を指す、中間の定義がなかったのです。
女の子と呼べるほど若くはないけど、まだまだ現役でいたい大人の女性たち。そんな女性たちの後押し(?)で登場したのが「女子」というカテゴリだったのです。
いまや、20代から40代まですべての女性を包み込む、概念としての「女子」。
思えば「女子」って、学校文化を連想させる言葉ですよね。男子に対しての女子、「男子はアッチ行っててよ!」と言っていたあの感じ。
そこには、ほんのり「平等」の香りさえ漂う。どんなグループに入っていても最終カテゴリは「女子」だったあの頃。
男子を排除した女子会は、私たちがひとつになれたあの頃を思い出させるのです。
だから薄っぺらい会話の繰り返しでも、半身浴したあとのようなぬるい満足感がある。
本音でコミュニケーションしたかどうかより、感情をシェアできたかどうかの方が重要なのです。
女子とは3人で争ったうえでゲットした1つのホールケーキより、分け合って食べる3分の1のショートケーキの方が美味しいと感じる生き物なのですから。
さて、年末の女子会でのいいね! 本音ですか?
Text/かや
次回は『その「いいね」本音ですか?~オカマタレント編~』です。ぜひお楽しみに!
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Text/AM編集部