体内受精できない人とは?

香川則子先生インタビュー画像
編集部

先ほどおっしゃっていた「体内受精ができない人」ってどんな人なんでしょうか。

香川先生

たとえば、ほんの一例ですがクラミジアに罹患歴のある人です。

編集部

えええ!?

香川先生

体内受精の仕組みから説明しますね。

体内受精とは、卵巣から排卵された卵子が、卵管の卵管膨大部という太くなっている部分で、膣から泳いで辿り着いた精子たちと出会って受精することです。

ところが、クラミジアに罹患すると卵管が炎症をおこし、ひどい場合は癒着してしまう。卵管がふさがってしまうんです。そうなると、もう卵子と精子は出会えないですよね。

編集部

経口薬で治っていても?

香川先生

炎症による癒着はそのままですね。

編集部

クラミジアってもっと軽い病気だと思ってました……。

香川先生

自覚症状があまりない病気ですからね。だから体内受精で妊娠したい場合は、卵管通水という検査で、卵管が通っているか調べてください。

もちろん男性も。精液は出ていても、精子が一匹もいない場合もあります。
子どもが欲しいなら、男女ともに「自分が産める体なのか」を知っておくことが大事です。

編集部

自分の体なのにわからないことだらけで驚いてます。

香川先生

二十歳を超えたらかかりつけの婦人科をもっておくといいですよ。病気になったら、トラブルがあったら健診を受けるのではなく、「毎年誕生月に検診する」など決めて1年に1回くらいは婦人科健診を受けてください。

※1月3日公開予定の後編に続く

次回は<「いつか産みたい」「2人目欲しい」の精神的保険?卵子凍結の話>です。
自分の子どもがほしいけど、身体のタイムリミットが近づくばかり…。卵子凍結をするには何歳まで?妊娠中の母子感染を防ぐには?妊活に必要な準備は?男性パートナーの精子凍結は?といった疑問を、『私、いつまで産めますか?』の著者、香川則子先生に伺いました。