今回の特集は「セフレ」。著書『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか? 僕が渋谷でワインバーを続けられた理由』(DU BOOKS)やCakesでの連載「ワイングラスの向こう側」、Facebookページでの投稿が話題の渋谷のワインバーBarbossa(バールボッサ)の店主・林伸次さんに「セフレ」とは何なのかを伺ってきました。たくさんのご友人やお客様との会話から生まれた多彩なセフレ論を、ぜひご自身の考え方と照らし合わせながら、楽しんでみてくださいね。
林さんのセフレに関するスタンス
恋愛感情がなくてもセックスできる人とできない人
―本日は、セフレについて質問させてもらおうと思います。
林:まだ外がこんなに明るいのにこんなこと言うんだって思って顔が赤くなってしまって(笑)。まだお酒飲んでないのに。
色々話すこととか決めていたのに、やっぱ恥ずかしいかも(笑)。
―そうですよね、ご無理をせず徐々にお話していただけらうれしいです(笑)。
林:初めに僕のスタンスを話しておきたいんですけど、僕は女性の経験が4人で、たぶん奥手で耳年増なんです。
基本的にセックスって恋愛感情がないとできないもんだと信じ込んでいるんですよね。
だから、セフレっていう言葉自体ありえないって思っていたんです。
それで、お店のお客さんにも話をふってみたんですけど、まずセフレという言葉は置いといて、恋愛感情なしにセックスができる人とできない人がいるという話になって。
たとえば、風俗。僕は、いわゆる風俗は行ったことがないんですよ。
で、話を聞いていると、僕みたいに行ったことなくて、例えタダだとしてもできない男性が3割ぐらいいるような感じがしてきたんです。
具体的に失礼しますと、初めて目の前に座った人に急にパンツを脱がれても難しいということです。
友達の知人で海外芸能人のキャスティングをやっている方がいるのですが、いわゆるグルーピーというか簡単にやってくれる女の子を用意することも仕事に入っているそうです。
でも、例えば5人のアーティストだったら、そのうち何人かは「俺はそういうの興味ないから」って言って、外に飲みに行くらしいんです。3割説はそんなところからもきています(笑)
じゃあ、その3割の人はどうしたらセックスできるのかということを考えてみたら、「とりあえず外に出る」と。
ディズニーランドに行ったり、お酒を飲んだりして、こんなこと考えるんだとか、この子こうやって笑ったらかわいいなってそんなことが何時間かあって、ちょっとずつ恋愛感情が芽生えてきたら、その子とセックスできるかもしれない。
でも、恋愛感情がなくてもセックスできるという人もいっぱいいるんですよ。
もちろん女性にもいる。「肌と肌の摩擦だから、そんな考えすぎだよ」とか言っている人もいて。
それで、僕は「ファンタジーを信じるかどうか」という話をよくしていて、それを田端信太郎さんは、「頭の中お花畑」と表現しているんですけど。
そういう乙女心みたいなのって女性の中にもあるし、男性も中にもあるんですよね。そういうのを抱えている人は恋愛感情がないとセックスってできないんじゃないかなと。
そこまでが、僕が「セフレ」対して考えた始めの段階だったんですよ。