老後=27年間の生活費が必要
―たとえば必要な分というと、28歳の女性で貯金がゼロだとしたらここからどれ位を目安に貯金していったらいいでしょうか?
月何万円、というような目安はありますか?
花輪:まず、金額の目安なんですけど、いくつまで働くかっていうのがポイントになってくるんです。
たとえば60まで働く場合だと、あと32年あるので、その間に、残りの60~87歳までの27年間をカバーしなければならないのです。
もちろん年金が出るので、すべてを自分で貯金する必要はないんです。
ただ、年金がいくらもらえるかを年金定期便や日本年金機構の年金シミュレーション(自分でできる年金額簡易試算)などで確認して、その分と生活費との差額を今から貯めていく必要がありますね。
―どこから目処をつければいいのかわからなかったのですが、そのように計算していけばいいのですね。
花輪:そうですね、あとは会社に退職金や企業年金があるかによっても、かなり変わってくるんです。
だから国民年金だけで年金が少ない人は、貯金での自助努力が必要になってきます。
―27年間×12ヶ月×15万円必要ということですもんね。
花輪:大体の計算だとそうですね。
標準的な年金額は厚生年金の人だと、16万円程度です(厚生労働省 平成24年度)。
収入額にもよって年金額は大きく変わります。
厚生年金だけでやりくりできるのであれば、そこまで貯めなくても大丈夫です。
国民年金のみですと、6万5千円程度なので、月10万円ほど足りなくなるので、その分を貯めないといけないですね。
そして、年金をもらえる年齢ですが、アメリカやドイツなどでは、67歳に引き上げられる予定なので、みなさんが年金をもらえる頃には年齢を引き上げられている可能性もあります。
その場合、60歳から働かないのであれば、最低限として無収入期間分は貯めておいた方がいいと思います。