―相手に何をしてあげられるかではなく、自分のことだけ考えてしまっているというのは、多くの人に言えることですね。

山路:実質的に長続きする結婚についても、相手に何をしてあげられているかが重要ですよね。
僕は3回結婚に失敗してますから、こんなこというのはお恥ずかしいところがありますけど、相手を愛する気持ちと同じくらい大切なのが、足りないものをお互いに補うことですから。
たとえば、能力も人格の良さも全部持っている人と結婚したいとして、でもその人にとって、自分は必要なのか、何をしてあげられるのか、そういうことをしっかり考えないとなかなかうまくいかないですよね。
相手の置かれている立場や状況も理解してあげなければいけない。

理性を失うのは正しい人の好きになり方
でも一歩踏みとどまって!

山路徹 インタビュー AM編集部 photo:阿部郁夫

―相手が求めているものを察知するための具体策としてはどんなものがありますか?

山路:コミュニケーションも大事だし、常に気にして関心を持つということですね。
人を好きになると自分の思いの方が大きくなってしまうんですけど、それを一歩引いて相手から見て、二人の恋愛というのは何なのかを突進していく前に考えるべきですね。

―気づいたら、突進しているつもりがなくても突進しちゃっているんですよね。

山路:突進したあと、どんどん悪循環になるのはよくあることで、そうなると大変なことになってしまいますからね(笑)。

―山路さんは、逆に突進されることありますか?

山路:僕自身はほとんどないんですけど、突進するって何かといえば、理性を失っていくってことなんですよ。
で、正しい人の好きになり方って理性を失うことでもあるから。人を好きになると、理性を保つのってなかなか難しいでしょ。
でも、その中で一歩踏みとどまって、自分の気持ちが大きければ大きいほど相手にとって自分は何なのか、自分がなすべきことは何なのかを考えていくことが本命になるためには必要ですね。

自分の思いだけぶつけてくる人がいるじゃないですか。
「好きなんです」っていうだけで、「何で分かってくれないんですか」、みたいな。
でも、それはあなたの気持ちであって、思いを伝えるのが相手にとっての愛情じゃないですからね。
相手と自分がいて両輪ですから、片輪だけ激しく動いても彼を中心に動いてしまってぐるぐる回るだけで、前に進まないんですよね。
そして、お互いの車輪が同じように前に進むようにしないと、関係も深まらないですね。