ただ、「アカウントを消すことで、自分が傷ついていることを元彼にアピールしたい」とか、「元彼に心配して欲しい」とかいう理由でアカウント自殺を考えている場合は、やめたほうがいいと思います。効果がないからです。
すごく優しい人や心配症な人なら、一度ぐらいは心配して連絡をくれたりするかもしれませんが、それは「心配」であって、「やっぱり好き」ではありません。そこからワンチャンス狙っていくのはかなり難しいです。
何より、思った通りの効果(元彼が心配してくれる)が得られなかった場合、ものすごく自分がみじめになります。
「自分を閉じたくて、アカウントを消す」ことと、「誰かに心配して欲しくてアカウントを消す」ことは、「アカウントを消す」という意味では、はたから見たらまったく同じ行為です。
しかし、その内情は、誰も知らなくても自分自身は知っています。
そして、同情で気をひこうとしたという事実は、失恋から立ち直ったあとも残り続けます。
失恋という、もっとも自己嫌悪に陥りやすい時期に、さらに自分をおとしめるようなことをしないで欲しいのです。
恋愛にみじめなふるまいはつきものですし、それを恐れていては始まりません。
けれど、恋をした結果のかっこ悪いふられ方は受け入れられても、自分の卑怯なふるまいは、自己嫌悪の棘になって残ります。
失恋したときは、どんなに弱ってもかまいません。
でも、誇りだけは失わないでほしいんです。
「どうせ嫌われたんだから、とことんまで嫌われてやる!」とばかりのふるまいをすると、のちのち後悔の種を増やすばかりです。
そんなことで、あなたが誰かを純粋に愛したという事実を、汚さないでほしいんです。
いつか、立ち直ったときに、自分は精一杯相手を愛して思いやったのだと誇れるように、今はぐっとこらえて、失恋という嵐の季節が過ぎ去るのを待ちましょう。
いつかまた、素晴らしい晴天の日がやってくることを祈りながら……。
Text/雨宮まみ
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プロフィール
雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」。
赤裸々な半生を綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)は全国のこじらせ女子に大きな影響を与える。
現在、「女子」を語らせたら、この人! という5人を迎えての対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)が絶賛発売中。
ツイッター:@mamiamamiya