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「シックスナイン」が日本ではじまったのはいつ?誰も知らない不思議な歴史/春画―ル

シックスナインとは?

絵師不詳《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》江戸後期模写

【シックスナインとは?】

同時にお互いの性器を舐めるなどの愛撫を行うこと。 ”ソワサン・ヌーフ”、“head over heels in love”(すっかり参った愛)などとも言われ、日本では〈相舐め〉、〈椋鳥(むくどり)〉、〈巴どり〉など様々な呼び方がある。

シックスナインを行う理由として、こどもの頃に最初におぼえた口の感覚が蘇ることによって肉体感覚の喜びが起こり、精神的な喜びや満足を感じるからという説もある。口唇による精神的満足と相手によって誘発される満足のダブルパンチ。

図書館でシックスナインについて調べていると、シックスナインで満たされる理由を見つけることができました。それってさ、「最初におぼえた口の感覚」の認識にもよるけど、ちんこを吸っているときも潜在的に母ちゃんの乳首を吸っていた頃を思い出して安心感や満足感を得られるということですよね?

私この前、30歳の誕生日を迎えたんですが、母にLINEで「あんたは母乳をよく吸っていたし、体が丈夫で健康!」って言われたんです。母は30年経ってもわたしの赤子の頃を想い愛してくれているのだと感慨深くもなったが、「30歳の娘の誕生日にかける言葉かな?(笑)」と思った途端にくすぐったくて、笑いが込み上げてきた。(ありがとう、母ちゃん。)そんな母乳を吸いまくって健康に育ったわたしも恋人の性器を吸うときに潜在的に母ちゃんの乳首を思い出しているのだろうか。

岳亭春信《婦男愛添寝(ふなあそび)》

ここだけのはなし、ずっとシックスナインについての記事を書こうかどうか迷っていました。というのも、「内容が激しすぎるのではない…?」とモヤモヤしていたからです。

しかし「エロい記事」ではなく「日本のシックスナインも歴史の断片」や「愛液にまつわる過去の認識」などを貴重な資料を紹介しながら記録に残すことは、みなさまが性の文化について知る機会になるとも考えていました。

今回は日本のシックスナインの歴史や、オンナの愛液を塗ったり食べたりするという興味深すぎる過去の認識について覗いてみましょう。

中世の肉筆春画絵巻ですでに描かれている

絵師不詳《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》江戸後期模写

わたしが知っている「シックスナインが描かれている一番古い時期の春画」は《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》だ。《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》は986年の実際に起こったスキャンダルを題材に描かれており、斎宮(伊勢神宮に奉仕する皇女)の任務にあたる済子(なりこ)女王と警護をする武士の平致光(たいらのむねみつ)が肉体関係をもつ話である。

江戸期にはこの絵巻の模本が制作されたが、12世紀後半から13世紀初め頃(平安時代後期~鎌倉時代前期)に制作したといわれる原本は、すでに現存しないといわれている。

絵師不詳《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》江戸後期模写

江戸時代に多く制作された模本にはシックスナインの体位が描かれており、済子女王と平致光が互いの性器を舐めている。

シックスナインが当時メジャーな体位だったかどうかは分からないが、江戸時代の春画の先触れとなる『古典肉筆春画絵巻』にシックスナインの図があることから、江戸時代の性表現にも影響を与えていると言える。そしてそれが受け継がれることによって間接的に、わたしたちも影響を受けている可能性だって大いにあるのだ。

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