『むつごと秘宝館』小玉ニ三・著
あらすじ
主人公の園浦礼太郎は、伯父の営む鰻養殖場の営業マン。
だが、最近は取引先の営業不振に見舞われて、旅館やホテルなどの新規開拓先を探して温泉地を回っている。新規顧客を見つけるため相模湾を眺める古い温泉地を訪れてはみたものの、かつての賑わいはなく並んでいるのは廃墟と化したホテルのみ。
期待が外れたことに嫌気がさした礼太郎がふらりととある廃ホテルへと足を踏み入れたところ、そこで目にしたのは老人男性ともみ合う三十路絡みの女性の姿だった。
「い、いけないわ。もう……やめてください」
強張った顔つきになり、腰を引いて抗う。その動きにクッションが弾み、彼女は体のバランスを崩した。老人はそこにのし掛かろうとする。
「お願いですから。ねぇ……かわりに、おしゃぶりをしてあげますから。ねっ、こちらで我慢してください。ねぇ」
彼を押しとどめるための咄嗟の言葉らしい。が、フェラチオの申し出をされた老人は、とたんに嬉しそうな笑みを浮かべて、自らベルトを外し、ズボンを下穿きを下ろしてしまう。
「ほんとうかい。口でしてもらうなんて……いつ以来だろうかね。嬉しいねぇ」
現れた一物を見て、礼太郎は目を見張る。老いた体躯とは裏腹に、一物は赤みを帯びて艶々とし、みごとに弧を描いて反り返っている。やや細身ではあるが、長さはたっぷりとある。
「ア……アアッ、やっぱり駄目、駄目です」
女も予想外の男根のみごとさに焦ったように、怖気づく。しかし老人は引き下がるわけもない。彼女の頭を抱え、もう片方では一物をしかと握り締め、あからさまに股間を突き出す。赤い亀頭が幾度も女の口元や頬を擦っている。
「ま、待ってくださいな。ねぇ――ちょっと」
とうとう彼女は根負けして、ソファに座り直すと、覚悟を決めたように身を屈め、その前に立ちふさがる老人の股間に顔を埋めていく。礼太郎からは、一物をゆっくりと頬張る彼女の横顔が見えた。
――あんなに深く、呑み込んで……。
礼太郎はソファの物陰に身を潜めながら、たまらず生唾を呑み込んだ。女はゆっくりと慎重に、長めの一物を喉のほうまで含んでいく。上唇が陰茎に擦れて捲くれあがり、真っ白い前歯が付け根まで見えていたりする……。
(『むつごと秘宝館』P11L12-P13L4)
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