食べちゃいたいくらい好きな相手にやっちゃう「袋いれ」
だいしゅきホールド以外に、甘い甘い体位をもうひとつ。
西川祐信《和楽色納戸(わらくいろなんど)》
恋人とふたりで白いシーツに包まっていたい願望ってありませんか?
雑誌のセックス特集などでシーツに包まり、じゃれ合うカップルを見るとなぜか「美しい」という感情を抱いてしまいます。
繭のような真っ白なシーツに包まれた恋人たちはその中で、まるで絹のような愛の糸を紡いでいくのでしょう。
西川祐信《西川筆の海(にしかわふでのうみ)》
そして、この“衣にふたりで包まる行為”は浮世絵にも描かれています。
夜着の中でふたりが包まり、逢瀬を重ねる場面。菱川師宣の《恋のむつごと四十八手(1679年)》で『袋入れ(ふくろいれ)』という体位が紹介されている。「誰にもバレないように隠れて相手と致したいときにこの『袋入れ』を行う」そうだが、春画を見ていると好きでたまらない相手と着物や布団に包まり密着感を楽しんでいるようにも見える。相手の着物の中に入れてもらえば、彼の匂いに包まれて心まで満たされそうだし、なんだか特別感さえ漂います。
《袋法師絵詞(ふくろほうしえことば)》江戸中期模写
ちなみにこの『袋入れ』の名前の由来になったのは、上図の鎌倉時代の《袋法師絵詞(ふくろほうしえことば)》だと思うのだが、「ちがう!ちがう!そうじゃない!」感満載だ。これはやりたくない。