男性は「好きだよ」という言葉を発することに慎重です。なぜなら「好きだよ」という言葉にはたくさんの尾ヒレはひれが付くので。「好きなら付き合って」「好きならマメにLINEして」「好きなら毎週末会って」「好きなら同棲して」「好きなら親に挨拶して」「好きなら結婚して」などなど。ね、尾ヒレはひれがてんこ盛りでしょ。

それにも関わらずセックス中に「好きだよ」と囁く男性は、アナタ様の人間性を信じています。信じているからこそ、「好きだよ」を囁くことができるのです。ポイントは「どんな人間性？」という部分。それは、「好きだよ」をいちいち鵜呑みにしないという人間性です。

世の女性を大別すると、以下2タイプに分かれます。

尾ヒレはひれを付けるのは「1」の女性。「2」の女性は、セックス中の「好きだよ」をいちいち鵜呑みにしません。鵜呑みにすることはないですが、セックス中に「私のこと好き？」と誘導尋問することもあります。

「鵜呑みにしないなら、わざわざ誘導尋問する必要はないだろう」というツッコミはごもっとも。でもね、「好きだよ」を鵜呑みにすることなく、セックスを「愛情確認」ではなく「快楽」として楽しみたい女性にも、「ムードを重んじる乙女心」くらいはカスタマイズされているのですよ。

「私のこと好き？」「好きだよ」という甘い言葉のやりとりがあれば、快楽目的のセックスもよりムードが高まり、満足度も高まると。そういった意図で、「好きだよ」という甘い囁きを求めているのです。「2」の女性にとって、「好きだよ」という言葉は、バイブやローションのようにセックスを盛り上げるアイテムの1つ。そのセックス観が、男性側にも伝わっているからこそ、男性は尾ヒレはひれを警戒することなく「好きだよ」を囁くことができるのです。

逆から言うと、セックス中に「私のこと好き？」と誘導尋問しても曖昧にされるのであれば、相手男性にとってアナタ様は「『好きだよ』を鵜呑みにし尾ヒレはひれ付ける」というイメージ像なのでしょう。だからといって、「私は『好きだよ』を鵜呑みにしません」「ムードを盛り上げるため言ってほしいだけです」と説得するよりも！　誘導尋問せずとも「好きだよ」を言ってくれる男性に乗り換えることを推奨致します。

Text／菊池美佳子

初出：2019.12.09