少し前に「一人称童話が流行っている」というニュースを観ました。従来の童話は「むかしむかし或るところにおじいさんとおばあさんが……」という三人称で表現されています。それが一人称になると「僕は生まれる前、大きな桃の中にいました」と、桃太郎目線での表現になるんですって。同じストーリーでも、三人称が一人称になるだけで、だいぶ違った印象を受けるからホンット不思議。
我々一般ピープルが書く日記やブログ、FacebookやTwitterは一人称での表現が主流です。たとえば「会議の時間を間違えて上司からフルボッコにされたでござる」という投稿。主語がないのでわかりにくいかもしれませんが、主語を付けると「私は今日、会議の時間を間違えました」「そして私は、上司からフルボッコにされました」となります。一人称表現ですよね。三人称だと「今日、A子さんは会議の時間を間違えました」「上司はA子さんをフルボッコにしました」となります。
三人称表現でのSNS投稿は、完全にヘンなヤツ認定されるでしょう。なのでSNSへの投稿は一人称のままでオッケー。ただ、誰にも見せない個人的な日記や、男女関係で何かあってその思いを整理すべく、もしくは書き殴るべくペンをとるときは、あえて一人称表現を封印するのも面白いですよ。
ものすごくわかりやすい例を挙げると、出会ったその日のうちにベッドインした男性から、未読スルー扱いされているとしましょう。
一人称だと「今日で未読4日目……」「やっぱりすぐセックスしちゃったのがいけなかったのかな」「B君は私のことどう思っているんだろう」という表現になります。これを三人称表現にしてみましょう。
「A子さんは、出会ったその日のうちにセックスしたB君から未読スルー扱いされています」
「A子さんは、すぐセックスしたことを後悔し、B君がどう思っているかということばかり考えています」
一人称表現と違って、だいぶ状況を客観視できるというメリットにお気付きでしょうか。
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