彩夏は大人の玩具を内部に仕込まれて…/固く小さく、震えてる『楽園の罠』(8)/AM官能小説

【あらすじ】
夫との南の島への旅行で彩夏は同じホテルに滞在する駿に出会う。ミステリアスな駿に惹かれた彩夏は、彼に惹かれて何度も部屋を訪れるが、彼は彩夏に屈辱的なプレイを強要し、いつまでたってもちゃんと抱いてくれない。辱められるばかりで苛立ちながらも、欲望を抑えきれない彩夏は再び彼の部屋訪れるが目隠しをされ、両足を開いて椅子に縛り付けられ、いやらしい玩具を挿入されたまま部屋に放置されてしまった。

幻冬舎 楽園の罠 真野朋子 AM 小説

第8回 固く小さく、震えてる

 大人の玩具を内部に仕込まれ放置された彩夏はひとり、体も心も混乱と戦っていた。何も考えなければ快感で気が狂いそうなのだが、ふと自分の置かれている状況に目をやれば恥ずかしさと屈辱で震え出しそうだ。
「ああ、いや……」

 両手足を椅子に括りつけられ一切の体の自由は奪われ、おまけに目隠しまでされた状態での責め。大股を広げてローターを挿入されているのだ。リモコンスイッチを持った駿はどこかに消えてしまって助けも呼べない。
「お願い、もう勘弁してよ」

 彩夏は泣き出しそうになっていた。自分の体内でぶるぶると震え続ける小さなモノは、電動なのでまったく疲れを知らない。人間の男の逸物とは違って電池の続く限り刺激するのだ。

 このままではおかしくなる! そう思って思いきり下腹に力をこめてみた。もう何度目かのトライだ。

 ぽろん……と、震えるローターが彩夏の局部から飛び出した。遂に異物を押す出すことに成功したのだ。だがまだ内部が痺れたようで感覚がない。
「はははっ、すごい膣圧だな。自分で出したんだ」

 すぐに駿がやって来た。どこかへ消えたふりをして、実は離れた場所で見ていたにちがいない。
「もういや。目隠しを取って。椅子から降ろしてよ」
「だめだ。まだこのままでいなさい」

 彩夏は体をよじってみたがびくともしなかった。かなりきつく縛られ固定されていた。
「バイブが初めてならすごい快感だったよな。どうだった?」
「……変な感じ」
「気持ちよすぎて悶絶してたもんな」

 否定したいが、それはある意味真実だった。本能に従えばこれまで経験したことのない快感だったことは明らかだ。人間のペニスではとても得ることのできない感覚だ。この繊細な動きに比べたら、男の逸物などただ擦ってピストンするだけのデクの坊だ。
「何度もイッたんだろ?」
 彩夏ははっきりと頭を振った。確かに刺激はあったし快感も得られたが、オルガスムスに達した、という実感はなかった。やはり動きにメリハリがないというのが最大の欠点だろう。それよりも椅子に縛りつけられた格好で大人の玩具を使われたという状況に興奮したのだ。
「ウソつけ。感じてたくせに」

 駿は床に落ちたローターを拾い上げ、ふたたびスイッチを入れた。振動音が低く響いている。
「あっ、あああ……いやっ、何するの」 

 彩夏の体が突然びくびくっと震え出した。
「ふふん、これなら絶対にイクはずだ」

 駿はローターの先端を、彩夏のもっとも敏感な肉芽に押し当てたのだ。インサートはなしだが花びらの周囲をじっくりと刺激していった。
「ひっ、ひぃぃぃぃ……」
「そんなに感じるのかよ。ははは、面白いな」
「だめぇ……おかしくなっちゃう」
「おかしくなればいいんだ。イッちゃえよ、何度も何度も」

 彼は面白がるようにローターで彩夏に悪戯を続けた。身動きできない不自由な体で、彩夏は思いきり頭を振り、髪を乱しながら押し寄せる快感に酔った。

 電流でも走ったようにがくがくっと大きく体を震わせたかと思うと、次にぴたりと動きが止まって頭がうなだれた。
「ふんっ、やっとイッたな。やっぱりここが一番感じるんだ」

 彩夏はこんな刺激を受けて達したのは初めてだったので、かなり戸惑っていた。禁断の味を知ってしまった、という感じだ。
「もう、ほどいて。疲れたの……」

 それは正直な気持ちだった。快感はあったが、心も体も荒れ狂う海に投げ出されたようで、くたくたになっていた。椅子に固定されている姿勢もきついし、目隠しもうっとうしい。
「まだだよ。お遊びは簡単には終わらないんだ」

 ふいに乳房を掴まれた。乱暴な手つきだがじっくりと揉み上げられた後、先端が唇で捉えられた。
「うう……」

 体中が感じやすくなっているせいか思わず声を漏らしてしまった。そして彼が吸いやすいように自分から胸を突き出した。

 唇は徐々に下腹部へと移動してゆき、広がったままの花びらにまで達した。彼にオーラルで責められるのは最初の日以来だ。舌が伸びて入り組んだ花びらのすみずみまで丁寧に舐められていった。
「ああ、すごい……」
 彩夏はうっとりと唇を半開きにして彼の舌技に酔った。電動仕掛けとはまた違った細やかさがある。

 ふいに手足の拘束が解かれた。やっと椅子から降りられるのだ。このままベッドで抱き合いたい。そして今度こそ彼の物を受け入れたい……彩夏は心底望んでいた。

 軽々と抱かれてベッドに移されたが目隠しはそのまま、しかも両手を後ろ手に縛るといういつものやり方で再び拘束された。

 テレサがいた時と同じ、ベッドの下にひざまずいて上半身を倒し腰を差し出すポーズをさせられた。剥き出しのヒップが湿った掌でじっくりと撫でられた。
「じゃあな。おふたりさんせいぜい楽しめよ」

 駿の声が遠くから聞こえてドアがばたんと閉まった。
「ええっ、だれなの? ここにいるのはだれ?」

 彩夏は目隠しのまま振り返って叫んだ。後ろに立っているのが駿でないことは確かだ。すでに何者かの両手でしっかりと腰を固定され、身動きがとれない。
「ああ、いやっ、放して」

 だがその瞬間、彩夏の花びらに楔が打ち込まれ。ひと思いに深々と柔肉を貫くのだった。

【つづく】

Text/真野朋子
幻冬舎×AM特別ページ